オラファー・エリアソン展:相互に繫がりあう瞬間が協和する周期
HAPPENINGText: Alma Reyes
部屋の中央には、螺旋状に巻かれた長いスチール製のチューブによるインスタレーション《ダブル・スパイラル》(2001年)があり、垂直に回転している。開かれた大きな螺旋が、一回り径の小さい螺旋を取り囲むように巻かれている。天井から垂直に吊るされたこの螺旋は天井から吊るされ、モーターによってゆっくりと回転する。この回転により、2つの波が交差し、上昇したり下降したりするような錯覚が生まれる。
オラファー・エリアソン《ダブル・スパイラル》2001年, Courtesy: neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles, Photo: Alma Reyes
この展覧会のために、もう一つ魅惑的な作品が作られた。《呼吸のための空気》(2023年)は、鉱山から回収された亜鉛廃棄物というリサイクル素材で作られている。これはエリアソンにとって、リサイクル素材を利用した初の実験的手法である。4つの扇風機が柱の上部に設置され、4方向に気流を送ることで、肌に触れる空気の微妙な感触を感じることができる。
オラファー・エリアソン《呼吸のための空気》2023年, Courtesy: neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles, Photo: Alma Reyes
壁面には、カタールのドーハ近郊の砂漠に設置されたドローイング・マシーンによって制作された6つの円形の作品がある。このプロジェクトは、先日カタール国立博物館で開催された展覧会「オラファー・エリアソン:想像力を擁する砂漠」(2023年)のために特別に設計されたもの。
「オラファー・エリアソン:想像力を擁する砂漠」展(2023年)からのドローイングPhoto: Alma Reyes
白い紙に描かれた2枚の《太陽のドローイング》は、太陽光とガラス球を利用し、絶えず回転する紙に模様を焼き付けたもの。一方、キャンバスの作品《風の記述》は、近くの潟の水と黒い顔料を混ぜた2台の機械で描かれた。風で動く振り子によって、デッザンの道具が回転するキャンバスの表面を動き、その場所の天候を反映した起伏のある痕跡が残された。
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