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「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」

HAPPENINGText: Alma Reyes

建築家ヴァルター・グロピウスが1919年にドイツのヴァイマールに創設したバウハウスは、デザイン、建築、美術工芸において最も影響力のある教育機関のひとつであった。ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、マルセル・ブロイヤー、パウル・クレー、ヴァシリー・カンディンスキー、ラースロー・モホイ=ナジ、その他多くの著名なデザイナー、建築家や芸術家たちが、この名門校の生徒であり教師であった。その輪に、博学な芸術家であり教育者であったジョセフ・アルバースが加わっている。彼は、色彩、形態、素材に関する深遠な理論を打ち立てたことで高く評価されている。


ジョセフ・アルバース《プリズムのような II》1936年 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217 Photo: Tim Nighswander/Imaging4Art

日本初のアルバースの回顧展「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」が、DIC川村記念美術館で11月5日まで開催されている。本展は、ジョセフ&アニ・アルバース財団の協力のもと、国内初公開作品を含む絵画や関連資料など、約100点を展示。芸術家としてのみならず、アルバースの教育者という側面にもスポットライトを当て、アルバースの作品を、彼の授業をとらえた写真・映像や、学生による作品とともに紹介する。


「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」展示風景 © The Josef and Anni Albers Foundation

展覧会の第1章「バウハウス ― 素材の経済性(1920–1933)」では、アルバースが学生時代を過ごした1920年から、のちには教師として閉校時まで携わったバウハウスでの学究生活に焦点を当てる。アルバースは、バウハウス以前は、故郷のドイツ、ヴェストファーレンで学校の教師として働き、ベルリンで美術教師としての訓練を受けた。そのため、彼の初期の教育学的背景は、デザインと教育の両分野における彼の学問の基礎を築いた。


紙による素材演習[水谷武彦の図面に基づく](2019年再制作)ミサワホーム株式会社蔵 Photo: Alma Reyes

アルバースが授業で一貫して重視したのは、素材の性質を把握し、効率よく扱う方法を習得すること。紙による演習は、バウハウスで彼が行った実験的な授業のひとつとして知られている。紙による素材演習[水谷武彦の図面に基づく](2019年再制作)は、紙を切って中心を持ち上げることで、螺旋状の塔を作り上げた例で、エレガントなシルエットは、構造体に強度と重量をもたらしている。

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