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「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」

HAPPENINGText: Alma Reyes

アルバースの授業では紙以外の他の素材も応用した。彼は学生時代にバウハウスのガラス画工房で学びながら、色彩豊かな《破片の入ったグリッド絵画》(1921年頃)を制作した。


ジョセフ・アルバース《破片の入ったグリッド絵画》1921年頃 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217 Photo: Tim Nighswander/Imaging4Art

このアッサンブラージュは、ガラス、針金、金属で構成され、板金フレームに取り付けられている。カトリック信者であったアルバースは、教会のステンドグラスに魅了され、学生時代にはより真剣にこの素材に取り組んでいた。当時はお金がなく、街のゴミ捨て場から廃品を拾ってきては研究に使っていたという。


ジョセフ・アルバース スタッキング・テーブル 1927年頃 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217, Photo: Tim Nighswander/Imaging4Art

第一展示室の中央に置かれた色彩豊かな4つのスタッキング・テーブルが印象的だ。アルバースがバウハウスの家具工房のマイスターを務めていた時代、彼はベルリンのモーレンホーフ邸のために、時代を超越したスタッキング・テーブル(1927年頃)をデザインした。トネリコ材にラッカー塗装を施し、天板にはライトブルー、イエロー、オレンジ、ターコイズブルーのガラスを使用したこの家具は、収納に便利な柔軟性と実用性を備えていると同時に、アルバースのデザインにおける基本原則を示す明確な幾何学的形状を体現している。


ジョセフ・アルバース リーフ・スタディ I 1940年頃 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217 Photo: Tim Nighswander/Imaging4Art

バウハウスが閉校してまもなく、アルバースはアメリカに渡り、ノースカロライナ州に創立されたばかりの学校ブラックマウンテン・カレッジで教鞭をとる。この新しい環境で、自然界の要素を取り入れるなど、彼の素材研究はさらに広がっていき、この頃から抽象絵画や版画にも取り組んだ。第2章「ブラックマウンテン・カレッジ ― 芸術と生(1933–1949)」で展示されているリーフ・スタディ I(1940年頃)では、さまざまな色調とテクスチャーの葉が構図を作り出しており、色紙に貼ることで、葉にリズム感と奥行きを与えている。

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