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企画展「THE ORIGINAL」

HAPPENINGText: Alma Reyes

ロビーにはそれぞれの展示物の相互関係を示す図がある。アイテムは、機能、要素、役割によって分類されており、それぞれの様相をもつ建具、収納、インテリアテキスタイル、デジタル機器などのデザインは、「家具」および「道具」を中心に繋がっている。このエリアでは、最初のディスプレイには住まいのエッセンスが立ち現れる。人間が根源的に必要としているものを与え、個人の人格に最も近しい実体をなしている。


ロビー会場風景 「エクストラソフト」ピエロ・リッソーニ(2008) 撮影:木奥恵三

ベッド、ソファ、照明、テーブル、キャビネットはすべて、快適さと実用性に対する基本的なニーズに応えている。「エクストラソフト」(2008)は、イタリアのデザイナー、ピエロ・リッソーニによる柔らかく連結自在なモジュールタイプソファであり、ベース、バックレスト、アームレストを好みの組み合わせに使い手が構成することができ、自由な動きも可能にする。


「陰影 IN-EI ISSEY MIYAKE ミノムシ」三宅一生+リアリティ・ラボ(2012)撮影:アルマ・レイエス

一つ目の展示室に踏み入れる前に出迎えてくれるのは美的な縦型ランプ、三宅一生+リアリティ・ラボの「陰影 IN-EI ISSEY MIYAKE ミノムシ」(2012)。ペットボトル再生繊維を使用した不織布のシェードを折り紙のように平らに折り畳むことができ、イッセイミヤケの服づくりの技術が応用されており、放たれる柔らかでまろやかな光によって影と形が強調され、伝統と科学の美しいハイブリッドをつくり出している。


「レ・バンボレ」マリオ・ベリーニ(2022、デザイン:1972)、「ボウルチェア」 リナ・ボ・バルディ(2013、デザイン:1951)、「アランダ ’18」パオロ・ピーヴァ(1980、復刻:2018)、「フォルチュニープチ」マリアーノ・フォルチュニー・イ・マドラゾ(1920s、デザイン:1907)、「タラクサカム 88 S」アキッレ・カスティリオーニ(1988)撮影:アルマ・レイエス

二つの空間は家のデザインを表している。一つ目の部屋は20世紀初頭から中頃のイタリアの黒と赤でスタイリングされており、イタリアのトップデザイナー、マリオ・ベリーニによる、稜線のついたエッジと膨らんだ座部が特徴的で見るからに心地よさそうな赤いソファ「レ・バンボレ」(2022、デザイン:1972)を見ることができる。その傍らには、リナ・ボ・バルディによる、円環状のフレームの上に半球形のシートを載せた、着座時にシートの角度を変えることができる「ボウルチェア」(2013、デザイン:1951)、パオロ・ピーヴァによる、逆ピラミッドが4つ連結された脚が視覚的に強いインパクトを与えるガラス製コーヒーテーブル「アランダ ’18」(1980、復刻2018年)、マリアーノ・フォルチュニー・イ・マドラゾによる、傘型のディフューザーを備えた工業用品として登場し、柔らかく均質な光を放つフロアランプ「フォルチュニープチ」(1920s、デザイン:1907)が、そしてこれらリビングルームの一式の上方天井には、著名な建築家で家具デザイナーのアキッレ・カスティリオーニによる、正三角形のアルミニウム製モジュールとクリアグローブ電球で構成された、タンポポ綿毛のようで印象的なシャンデリア、「タラクサカム 88 S」(1988)がレイアウトされている。

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