アルヴァ・アアルト（1898〜1976）を受け継ぐ、フィンランド屈指の建築・インテリアデザイン集団アルテックから、彼らの75周年を記念する最新の商品を紹介しよう。アルテックは1935年の立ち上げ以来、建築、デザイン、職人技、技術、教育、そして芸術をまとめあげ、一貫したやり方を通してきた。アルテックは感情（芸術）と論理的根拠（技術）を併せ持ち、色あせることのない、実用的なデザインで日々の暮らしの中に新たな環境をもたらしている。

2009年にドーバー・ストリート・マーケットで売り出されたコム・デ・ギャルソンとのコラボレーションによる香水、アルテック・スタンダードを手始めとして、アルテックはこの記念すべき75周年のために、すでに様々なイベントや活動を展開している。2010年のアルテック・スタンダードは美容製品の幅を広げさらに向上している。

続いて始まった、アルテックの持つ技術や知識を称賛する世界的キャンペーン、「ドレス・ザ・チェア（Dress the Chair）」では、有名デザイナーやアーティストが招聘され、アルヴァ・アアルトによるアイコン的デザイン「アームチェア400」を中心としたクラシック・アームチェアからインスピレーションを得て作品制作を行った。親しみをこめて「タンク」という愛称で呼ばれるこのアームチェアは、1936年のミラノ・トリエンナーレで初めて発表された。ドレス・ザ・チェアには、他の多くの作品と共に、イルゼ・クロフォード、そしてロジータ・ ミッソーニの手掛ける、アームチェア400の新バージョンも含まれている。イルゼ・クロフォードは肘掛け以外の部分をトナカイの皮で覆った作品をつくり出し、ロジータ・ ミッソーニは広く知られるジグザグ、波、ストライプ柄のニットを椅子にあしらった。

照明コレクションはアルテックの製品ラインナップに欠くことができない。1950年代にアルヴァ・アアルトから依頼された公共デザインプロジェクトは、後の新しい照明モデルの開発につながることとなり、そこから生まれた多くの照明モデルがアルテックの製品ラインナップに加えられている。75周年を記念する製品としては1953年にアアルトがデザインした、クロームメッキをほどこした金属製リングの天井ランプA331がある。このランプはホワイトにペイントされたアルミニウムと上品な真ちゅう製リングから構成されている。