企画展「THE ORIGINAL」

HAPPENINGText: Alma Reyes

毎日の暮らしは、もの、家具、服飾品、調度品とともにある。それらは、私たちに安らぎとインスピレーションを与えてくれるとともに、ライフスタイルや思考・行動の様式にも影響する。そして、これらを形作っているのは他でもない「デザイン」なのだが、この概念は通常、審美的属性のひとつと見なされる一方、より深いレベルで機能するものである。デザインとは哲学である。毎日の暮らしにとって有益な断片として組み込まれていくにつれて、その使い方、育て方、感覚への取り込み方の原則を提供するものとなる。


ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

デザインにおける「オリジナリティ」は、単に初めて目にするものに関わる概念ではなく、ユニークな、つまりは「オリジナルな」アイデアを与えるものだ。ものの物理的次元の下層にある、コンセプト、目的、時空間要素にもオリジナリティの感覚が浸透している。オリジナリティを評価するのは難しいかもしれないが、その本質は、他のクリエイティブなアイデアに対する影響力だ。新たなコンセプト、形態、素材を再生させたり更新したりすることを絶えず触発し続ける影響力を宿すことが条件となる。


ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

東京の21_21 DESIGN SIGHTでは、企画展「The Original」が6月25日まで開催されている。19世紀後半から現在までの国内外のデザイナーによる家具、食器、テキスタイル、玩具、乗り物など約150のプロダクトが、展覧会ディレクターの土田貴宏、企画原案の深澤直人、企画協力の田代かおるによる選定のもとに展示されている。


ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

本展では「オリジナル」というテーマに関連するいくつかのコンセプトを解説している。要約すると以下の通り。「リデザイン」は「過去から存在するオリジナルの形態、素材、機能をもとに新しいデザインを生み出すこと」、「リファレンス」は「デザインのプロセスで比較および検証可能な過去の事例を参照すること」、「バリエーション」は「オリジナルの原形にアレンジを施し、別の形態、機能、用途などをもたらしたもの」、「オマージュ」は「ある製品に対して敬愛や賛意などを表現すること」、「アップデート」は「オリジナルの仕様や製造方法の改良などをすること」、「リプロダクト」は「複製や復刻品のこと」、「コピー」は「オリジナルのデザインの表面的な模倣に関連しており、オリジナルの作品と同じ価値を持つわけではないこと」とされている。これらのコンセプトを検討することで、プロダクトがどのように進化してきたか、そして過去のオリジナルデザインの特定の要素がその後の数年間でどのように再構築されてきたかについて理解を深めることができる。

Read more ...

[Help wanted] Inviting volunteer staff / pro bono for contribution and translation. Please e-mail to us.
MoMA STORE