ホール・アース・カタログから50年、これからの未来・テクノロジーを考える〜 ニュー・コンテクスト・カンファレンス 2021

HAPPENINGText: Taketo Oguchi


小松美羽・高野山別格本山三宝院での制作風景映像より

ランチ休憩を挟み、午後から行われたのは、現代アーティスト・小松美羽高野山別格本山三宝院及び本日の会場となったデジタルガレージ本社カンファレンスホール「ドラゴンゲート」で制作を行った際の映像を上映。その後作家本人がステージ上に現れ、作品に魂を込める目入れのライブペインティングを行ったのち、今回の作品制作について、作品制作のアティチュードや、作品に込めたメッセージについて語った。


小松美羽 写真提供:デジタルガレージ

ライブペイントは、神事(祈りの行為)であると小松は語る。瞑想し、無になり自然からのメッセージを受け取り絵を描く。これまでの代表作である「エリア21」という、地球を俯瞰する作品は、自然と自身が融合し、宇宙からのエネルギーを媒体に完成させた自身の集大成であると語っている。今回制作させた作品も「エリア21」を包括するもので、より彼方から地球を俯瞰し描いたという。「大加速」(グレートアクセラレーション)から「大調和」(グレートハーモナイゼーション)へというメッセージを伝えることが今回この絵を描いた自身の役割である、と話すその姿はまさに現代のシャーマンのようであった。


飛鷹全隆大僧正(真言宗総本山教王護国寺長者) 写真提供:デジタルガレージ

続いて行われたアーティストトークには、飛鷹全隆大僧正(真言宗総本山教王護国寺長者)もゲストとして登壇、林郁(デジタルガレージ代表取締役)が作品制作を依頼した思いやきっかけについて語り、飛鷹全隆長者は、今回小松によって描かれた作品には生きとし生けるものの姿が見事に表現されている。「大調和」時代というコンセプトもこれからの世界にとって素晴らしいメッセージになるだろうと語った。

世界遺産としても知られる1200年の歴史を持つ高野山は弘法大師空海が、修禅道場として開いた日本仏教における聖地の一つである。高野山は「一山境内地」といわれ高野山全域が寺の境内地とされ、自然と調和しながらも、常に時代とともに変化しつつ連続性を保ち、その歴史を守ってきた。日本には絶やしていけないものがある。かのスティーブ・ジョブスも「禅」に傾倒していたのは良く知られている。サスティナビリティー、持続可能な世界の実現の鍵は、高野山にあるのかもしれない。

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2021
〜Whole Earth Catalogから50年、これからの未来・テクノロジーを考える〜
日時:2021年8月11日(水) 9:30~18:00
会場:DRAGON GATE(デジタルガレージ) 
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコDGビル18F
主催:株式会社デジタルガレージ
共催:DG Lab
https://ncc.garage.co.jp

Text: Taketo Oguchi

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