これまで掛けた仕事で印象に残っているプロジェクトやデザインなどを教えて下さい。

創設後は、小さいチームながら数多くのプロジェクトを手掛け、アートや文化分野のクライアントとも良好な関係を築いてきました。

“MICRO-GRAPHIC-WAVE”, Mini design exhibition, City Hall Hong Kong, 2016, Microwave International New Media Arts Festival

例えば、マイクロウェーブ社のプロジェクト。2006年に私たちがデザイン面でのリ・ブランディングを行なって以降10年が経ちますが、香港を代表するニューメディア・アートの組織となっています。マイクロウェーブ20周年記念展覧会のなかで「マイクロ・グラフィック・ウェーブ」という小さい展覧会も（弊社との関係を祝って）開催しました。

“M+ ROVER – Travelling Creative Studio”, Visual Identity, 2016, M+, West Kowloon Cultural District

またちょうど、2019年に香港に建設予定のビジュアル文化を扱う新しいミュージアム「M+」とのコラボレーションも行なっています。香港の学校やコミュニティ向けの“移動型クリエイティブスタジオ”プロジェクト「M+ ローバー」を、M+ のラーニング&インタープリテイション・チーム主導のもとに開催していました。

T·PARK [源· 區], Naming and Visual Identity, 2016, Environmental Protection Department (Hong Kong)

他には、香港政府環境保護署管轄の汚泥処理施設「T·パーク」の再ブランディングも特別です。その施設名称とビジュアル・ブランディングも手掛けたのですが、とても大変な仕事となりました。

Design 360˚- Concept and Design Magazine 2015, Editorial and Design consultant, 2015, Sandu Publishing Co. Ltd.

長期に及ぶ仕事としては、香港大学建築学部、アジア・アート・アーカイブ、デザイン360°のポスター・シリーズもあります。デザイン360°は中国のコンセプト／デザイン雑誌で、2009年以来のつきあいで2014年にリニューアルしたばかりです。

Mobile Talk 2016 #01 Osaka

7月30日に初開催を迎える「モバイル・トーク」について教えて下さい。

「モバイル・トーク」はデザインやデザイナーの交流を目的とした新しいインディペンデント・イベント・シリーズで、香港のミルクシェイクと大阪のOOOプロジェクツによる共同企画となります。デザイナー、アーティスト、建築家、キュレーター、編集者やライターをゲストに招致し、制作物やその背景にあるアイディアやアプローチ、そして、彼・彼女らの生活について共有しあう内容です。

今年は「#インディペンデント／コレクティヴ」（#個／集合体）という共通テーマのもと、大阪を皮切りに、10月に香港、11月に台北で開催します。大阪では、韓国、中国、香港からナ・キム（グラフィックデザイナー）、キース・ラム（ニューメディア・アーティスト）、オウ・ニン（キュレーター）、ヤン・ヨウ（独立系写真出版社）の４名をゲストスピーカーを迎え、各ゲストには20分間で自身の５作品と、本テーマからインスピレーションを受けた５つの出来事／事象／物や日常生活について参加者とシェアしてもらいます。ありがちなデザイン話ではなく、「モビリティー」（移動）というコンセプトに沿ったインタラクティブかつダイナミックな時間にしたいと思っています。