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JKD COLLECTIVE

PEOPLEText: Aya Shomura

JKDにはどういった方々が在籍なさっているのでしょうか?

現在、在籍しているビジュアリストは6名。ミュージックアーティストが9名。在籍といっても、専属契約を交わしているわけではなく、それぞれのプロジェクト内容をもとにチームを形成する「有機的なクリエイティブ・ネットワーク」といった方がいいかもしれません。特徴としては、いかなるプロジェクトにおいても、純粋に「クリエイティブを攻める」、つまり少しでもいいものを作るよう全力を尽くすというワイデン・アンド・ケネディ、W+K東京ラボが実践していたシンプルな哲学、DNAを継承しているチームであることです。社内スタッフとしては、プランナーとPAを兼ねるビジュアルアーティストが一名と、モーションデザイナーなどがいます。

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JKD Collective, Office, Tokyo

海外にはJKDのように大手クライアントとプロジェクトを行なう少数精鋭のクリエイティブ・スタジオが多いですが、インハウス的に音楽制作までをも取り込んだスタジオは稀かと思います。海外でのプロジェクトも視野に入れての差別化だったのでしょうか?

大手クライアントとプロジェクトを行なう小規模クリエイティブ・スタジオがこれまで日本に少なかったのは、日本の広告業界における様々な事情によるものですが、ここ数年の市場環境の変化に伴い、日本でもようやく、電通、博報堂、そしてWPP等の外資資本が入っていない独立系のクリエイティブ・スタジオが、メジャーブランドの仕事に関わることができる環境が整ってきたと感じています。

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“Heart Beat Music”, Goldwin, NTT Docomo, Brand Movie for C3fit IN-Pulse by Goldwin, 2014

インハウス的に音楽制作の機能を取り込んでいるのは、先ほど申し上げた設立経緯に関わる部分が大きく、ある意味必然の流れといえるかと思います。W+K東京ラボというオーディオ+ビジュアルのコンテンツレーベルからの流れをくむJKDにとって、「音楽と映像のシンクロ」というのが究極のテーマ。音と映像の制作の現場を、近い距離で内包していることは、力強いコンテンツを作る上で、極めて重要だからです。

海外プロジェクトについては、もちろん視野に入れています。関連スタッフ、クリエイターのほぼ全員が、英語での仕事ができるので、逆にやらないと勿体無いと思っています。海外案件のプロジェクトの数を増やすことは、JKDの第2ステージにおける重要なテーマの一つです。

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“Kaleidoscope with Mirror Harrier”, Toyota, Installation, 2015

ご自身の仕事のフィールドにおいて、特に面白いと感じることや瞬間は何でしょうか?

音楽と映像がタイト且つオンビートにシンクロしたビデオ・ミュージック的な世界が表現できた時。音楽は映像と融合されることにより、さらに力強いサウンドになり、映像は、まるで命を吹き込まれたような躍動感のある強力な作品として仕上がった瞬間。テクノロジーや技術の進化により、人間の直感に響く表現の領域が今後さらに広がっていくのではないかと、大きな可能性を感じています。

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JKD Collective 3rd Anniversary Party “MULTIVERSE”, THE ROOM DAIKANYAMA, Tokyo, 2015

今、興味・関心のあること、注目していることを教えて下さい。

まずは、やはり「音楽」ですね。ビジネス構造やライフスタイルがどうなろうと、いつの時代も、音楽は変化し続ける文化の中心に位置する極めてコアな存在。
最も関心があるのは、今、日本国内ではどんなサウンドが鳴っていて、これからどういうアーティストが出てくるのかということ。そして、彼らとのコラボレーショで、クオリティの高いオーディオ+ビジュアルのライブ体験をプロデュースしてみたいと思っています。

もう一つは、「東京」という街です。混沌としたカオスな部分と、究極の洗練を併せ持つこの街は、都市としての魅力を以前よりさらに増す一方で、震災後の原発問題、政治不信等で、物理的にも、精神的にも、ある意味、追い込まれている。人間は追い込まれるほど、何か創造的なものを生み出す力が増すと言いますよね。今、東京にいる人達には、ここ暮らすそれなりの必然と理由があるはず。彼らからどういう表現が出てくるのか注目しています。

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JKD Collective, Office, Tokyo

今後のご予定やプロジェクトについて教えて下さい。

JKDとしては、数本のブランド・ムービーの制作に入りつつあるところです。同時に、映像に音をつける音楽制作、サウンドデザインの作業がいくつか進行中。東南アジアからインスタレーションの問い合わせにも対応しているところで、来年何か形になるといいと思っています。

新たなチャレンジとして、秋口までに「WEM」という新しいタイプのミュージック・プラットフォームを立ち上げる予定。東京発の良質な音楽をセレクトし、国内外に発信していくプロジェクトです。パイロット版からのスロースタートにはなりますが、JKDのネットワークをフルに活かして、新しい流れが作れればと思っています。

デジタルコンテンツ制作に携わろうとしている若者へ、メッセージをお願いします。

日本から世界に向けて発信される、クリエイティブの新しい「うねり」、「流れ」を一緒に創りましょう。クリエイティブ表現とブランディング・コミュニケーションが交差するポイントには、新しく刺激的なコラボレーションが渦巻いています。インターン、アルバイトからのスタートになるかもしれませんが、JKDの現場を経験してみたい方は、hello@jkdcollective.jp まで連絡ください。

Text: Aya Shomura

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