リー・ラナルド
PEOPLEText: Victor Moreno
雑誌「ローリング・ストーン」が選ぶ2003年度最も偉大なギタリスト100人の33位にも選出されているリー・ラナルドは、常に実験的な姿勢を忘れないクリエイティブマインドも持ち主だ。彼のバンド名のソニック・ユースのように彼のコラボレート魂はドとどまるところを知らない。彼の多彩さは、最近の様々なソロプロジェクト(ドラムのスティーブ・シェリーとともに行っているバンド「ザ・ダスト」)に表れている。
バンドの新しいフルアルバム「ラスト・ナイト・オン・アース」は、ラナルドが初めのソロ活動でテーマにしていたアブストラクトから、作詞作曲へと役目を変えたセカンドアルバム。一方、彼はビジュアルアーツ、ドローイング、映像、詩など別のアート分野のプロジェクトも並行的に続けている。彼のこの数年大きな注目を浴びてきた優れた作品について伺うことができた。
Photo by Victor Moreno
「ビトウィーン・ザ・タイムズ・アンド・ザ・タイズ」は、アコースティック・ソングの初めてのフルアルバムでしたね。.
そうですね、実験的なアブストラクト・ミュージックではありませんでした。
Between The Times & The Tides
シンガーソングライターとしてシフトし、一番のやりがいは何ですか?
ソニック・ユースはグループだったので、作曲やレコーディングを全て皆で一緒に行っていましたが、そのときとは全てが違っています。4人で書いた曲を3人のシンガーが歌っていたのですからとてもユニークでしたよね。でも、今は自分が書いた曲を自分で歌うので、かなりやりがいがあります。この分野は今私が最も興味のあることで、その中心は歌うことです。このパートが一番大好きであり、重要なパートでもあります。バンドとして大きな広がりを見せたとしてもプロジェクトの大部分はボーカルなのです。
スティーブ・シェリーも、このプロジェクトで演奏していますが、彼も共に作詞作曲に関わっていますか?
曲を書いてはいませんが、アレンジに参加しています。このセカンドアルバムではバンドの全員がアレンジに関わっています。最初のアルバムのときは、私が作った曲を共に演奏してくれる仲間を集めただけの実際にはバンドという状態ではありませんでした。その後1年ほどツアーに出かけたことでバンドとしてかたまりはじめ、今回は私の曲を皆でアレンジしていきました。
Last Night On Earth
そのお話からいくと、この新しいアルバム「ラスト・ナイト・オン・アース」は前回のアルバムからさらに進化を遂げているのですね?
そうですね、特にバンドを確立するという点でさらに進化していると思います。最初のアルバムを出したあと、私たちがどういうバンドであるべきかを考えました。一つ指を鳴らすと、一夜にしてバンドができあがるということはありません。時間がかかるのです。よりバンドらしくなった今回のアルバムでは、スタジオでライブ録音し、それは全く新しい感覚でした。
どこでレコーディングを行ったのですか?アルバムは自身で制作したのですか?
はい、バンドメンバーとエンジニアと共に制作し、レコーディングは、多くのレコードを生み出したソニック·ユースのスタジオで行いました。
Lee Ranaldo and The Dust @ Spaceland Ballroom flyer
スタジオはニューヨークにあるのですか?
長い間ニューヨークにありましたが、現在はニュージャージー州のホーボーケンにあります。ソニック·ユースの「ラザー・リップト」のレコーディングの頃からなので、2005年にホーボーケンに引っ越したのだったと思います。
確かヨ・ラ・テンゴの故郷でしたよね?
そうそう。ホーボーケンから今は、マンハッタンに引っ越したようですね。
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