ハンサム・ファーズ
PEOPLEText: Victor Moreno
僕たちが初めてハンサム・ファーズに出会ったのはストックホルムである。数ヶ月前、そのバンドは、今年サブボップレコードからリリースされたアルバム「フェイス・コントロール」のツアーでストックホルムを訪れている。少し話したところで、フィンランドの流行ブランド「CTRL」の人達含め、お互いに共通の友人が何人かいることが分かった。
Photo: © Victor Moreno
その後も連絡は取り続け、フロー・フェスティバルという新たな機会が訪れた。ヘルシンキに戻って公演があり、この新しいチャンスを逃すことはできないと、彼らにインタビューすることに。アレクセイ・ペリーとダン・ボークナーは、非常に温かい心を持ったカッコいいカップルだ。フロー・フェスティバルで僕たちは大いに楽しんだ。フェスティバルとその主催団体も素晴らしかった。
ヘルシンキの街から徒歩10分ほどの場所に、スヴィラハティ・パワープラントは位置しており、フェスティバルは大きな期待通り、4日間で4万人の来場者を迎えた。このイベントは、開催エリア、開催期間という観点からも昨年よりも拡大され、第6回となったフェスティバルは、4日間ともほぼ満員で、3日間チケット、2日間チケットは前売りで完売した。ラインナップは、グレース・ジョーンズや、ダンがフェスティバルで最も素晴らしかったバンドと評した地元バンドのヨエンスー1685が名を連ねた。
インタビューは、ツアーのこと、アメリカやカナダのこと、四川料理のことにまで及んだ。
結婚とバンドを組んだのはどちらが先でしたか?
同じくらいの時期だったと思います。付き合って3日くらいでダンにプロポーズして、同時にお互いのプロジェクトを始めました。
私たちは、夫婦やバンドのパートナーというユニークな面をもつ経験を共有することでそれぞれが異なる考えを表現する機会が与えられたと思っています。同じ場所に旅行して、同じことを目撃したりするかもしれませんが、基本的には異なる考えを持って、それを作品で一つにするのは非常に素晴らしい挑戦になるはずです。
メジャーレーベルではなく、サブポップレコードを選択したのはなぜ?
サブポップの人達が結婚式に来てくれて、彼らからサラダと素敵なプレゼントをいただきました。レーベルとこうした有意義な関係を築けたことは珍しいケースで、非常にラッキーだと思っています。親友同士がそうするように、レーベルと私たちは多くのことを議論しますが、自由にものを言ったり怒ったりしながら、彼らは頻繁に協力してくれます。どうしても納得できないときなどは、互いに譲歩したりもします。
最近のカナダの音楽事情はどうですか?
おそらく、音楽のほとんどがカナダの都市以外ところから生まれてきています。そういう意味で考えると、カナダの大部分はどんよりとした風変わりな田舎の町ですが、そこから逃げ出すことを選んだ人々が都市に集まります。カナダ音楽の根幹は、都市から離れたもっと静かで慎ましやかな自然が残っている村から生まれているのです。私は多くの時間をセーラムという小さな町のポンプ井戸や泥道だらけの信号機のない場所で過ごし、ダンはバンクーバー島のカウチン湖という人があまりいない伐採の町で育ちました。
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