六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2013

HAPPENINGText: Chiaki Ogura

いつもの山がアートでいっぱいの美術館になる!こんな魅力的なイベントが兵庫県の六甲山で行われている。様々なジャンルのアーティスト39組が繰り広げる六甲山の魅力や景観をいかした作品を、五感で感じながら楽しめる。「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013」は、全国で100以上開催されているアートイベントの中でも、民間企業だけで運営されているイベントのひとつである。総合ディレクターは、公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団の坂本浩章。

開催エリアは、神戸市から六甲ケーブルを登っていった六甲山上のエリア一帯。六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージアム、六甲山ホテルなどの広範囲が開催場所となっている。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2013
ひびのこづえ「六甲の山のいきもの」

まず六甲ケーブル車両に飛び乗ると目に入るのが、ひびのこづえの「六甲の山の虫たち」である。そして、六甲山上駅に着くと迎えてくれるのが、「六甲の山のいきもの」だ。これらは全て空想上の虫たちである。コスチュームデザインなどを手がけている彼女の試みだ。六甲の楽しい虫たちが、このフェスティバルを華やかに迎えてくれる。六甲ケーブル下駅にて乗車鑑賞も可能だ。

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クワクボリョウタ「lost and found(忘れ物取扱所)」

六甲山カンツリーハウスでは、クワクボリョウタの「lost and found(忘れ物取扱所)」という作品に出会える。テーマは、並べられた日用品や現地で拾った物、それらがつくり出す影を眺めながら、新たに何かを忘れたり、思い出したりするための「記憶の取扱所」。回転する人工物と自然物に照明をあて、壁に影を映し出す。その影は脳の中であり、記憶の断片を表している。忘れているつもりのなかった “忘れ物” がここで見つかるかもしれない。

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鈴木将弘
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