シスマ
PEOPLEText: Taketo Oguchi
今月は、ブラジルを拠点に活躍するグラフィティ・アーティストのグループ、シスマがカバーデザインを担当。ポルトガル語で宗教分派、疑惑、断罪、という意味を持つ「シスマ」をグループ名として掲げる彼らの活動や、ブラジルについてお話を伺った。
はじめに自己紹介をお願いします。
シスマは、ブラジルのアートグループです。メンバー全員が、グラフィティ・アーティストです。警察と問題を起こしたくないので、実名は公表しません。それに、無名であるということは、プレッシャーを受けない秘訣でもあります。
シスマは、どのような活動をしていますか?
ビデオを作ったり、グラフィティを仕掛けたり、デザインを楽しんだり。ピザを食べて、犬と散歩をして、フリぺラマで遊び、セックスをするというようにして、活動しています。
どのようにして、シスマは設立されたのですか?
シスマは、2000年8月に設立されました。暇だったので。
ウェブサイトでは、人体や、魚など、生き物を多くモチーフに用いていますが、それらを通して、どのようなことを表現しているのでしょうか?
そういうものは、単にコミュニケーションの要素にすぎません。モチーフ自体には、何も意味がありません。本当の意味は、最後に構成されて生気を得た時に、見い出されるのです。
インスピレーションやアイディアは、いつもどのような所から得るのでしょう?
思い出や、願望からです。
ウェブデザインで、一番大切だと思うことは何ですか?
盗むことです。みんながみんなをコピーしています。盗むという行為は、インターネットをリードしているのです。みんな、どのようにしてそれが動くのかや、とにかく速いという事とインターネットを簡単に行き来する事の利点を知っているから、新しいことに挑戦するのは怖いのです。K10Kや、サーフステーション、リンクダップなど、ものすごく多くのデザイン・ジンがあるでしょう?みんな、何が今のトレンドかを知っています。そして、90%のウェブデザイナーがそれに従っています。
今月のSHIFTのカバーデザインは、どのようなことをイメージして作りましたか?
このカバーは、悲しみとエジプト研究、そしてタイポグラフィーの足し算でできました。
ブラジルで活動していることについてどう思いますか?
私達の仲間の一人は、ブラジルの素晴しいデザインスタジオ、ロボで働いています。他にシンディカートもいいですが、そういった場所はここでは少ないです。独立して仕事はしていますが、収入面も厳しいですし、ブラジルで認められることも難しいですね。
ブラジルのニューメディアシーンについて、興味深い動きはありますか?
ニューメディアのトレンドですか?いいえ、無いですね。でも、グラフィティアートのシーンでは、ちょっと盛り上がっています。ハーバート、オス・ジェメオス、ヴィッチェ、オネスト、VI・オールスターズなどが、ここでは本当にオリジナルなことをしています。
日本についてどう思われますか?
日本は大好きです。日本から沢山の影響を受けました。
好きなビジュアル/グラフィックデザイナーについて教えて下さい
土佐信道、ゼウス&スペース・インベーダーズ、パワー・グラフィックス、ナンド・コスタ、GHSウェブ・グラフィカ、MK12、ハウスインダストリー、リース、エスポ、ウルフギャング・ウェインガート、稲葉英樹、その他本当に沢山の人達です。
最後に今後の予定を教えて下さい。
とにかく私達の何か好きなことをする、というのが私達の予定で一番重要なことです。
Text: Taketo Oguchi
Translation: Naoko Ikeno