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標準案内用図記号

THINGSText: Satoshi Ota

「標準案内用図記号」なんて言葉を聞いても、いまいちピンとこないでしょ。実はこれ、交通施設、観光施設、スポーツ施設といったところ等に使用されている案内用のマークを、標準化しようとつくられたモノ。普段、「携帯電話使用禁止」や、「郵便」、それに「トイレ」だとか、いろんな図記号を見かけるけれど、どれも、“これじゃなきゃダメ”と、決まっているモノはなく、微妙にデザインが異なっているのに気づくはず。見た感じで、伝わってくる意味は同じだけど、なぜ、今までは統一されていなかったのか?

それは、日本の案内図記号は、アメリカの運輸省で認可されているモノを多く使っていたり、携帯や電子機器といった、新しい規制標示や案内は、各企業や公共施設によって、デザイナーがデザインしていたことが多かったから。こうした現状を改善すべく、日本財団の助成事業として、平成12年度に、一般案内用図記号検討委員会が設けられ、標準化へとすすめられていたわけ。そして、この春、3月22日より、 JIS(日本工業規格)に認定され、104項目の図記号が制定されることに。これにより、これから建設される、公共施設や、ホテル等、あとは、ワールドカップ開催予定のいくつかの競技場、JR…と、身近なところにどんどん普及していくことになりそう。また、国際標準化に向けても提案されており、現在、ISO(国際標準化機構)において検討されているという。

この様な図記号は、シンプルにもかかわらず、大人から子供までがひと目で明確なメッセージが伝わるという点で、文字表示の案内よりもはるかに優れていて、社会生活の変化により、ニーズが多様化し、バリアフリーの観点からも、こうした図記号は一層の充実と統一化の必要性が高まっているのかも。簡略化されているのに、確かな情報を伝えられるという、究極のヴィジュアルランゲージじゃないかと。


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Text: Satoshi Ota

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