アルル国際写真フェスティバル 2012
HAPPENINGText: Wakana Kawahito
ヨーロッパで最も歴史と権威がある写真フェスティバルといえば、今年で第43回目を迎える「アルル国際写真フェスティバル」だ。夏の南仏・アルルの陽気な雰囲気とあいまって、毎年多くの人たちで賑わう。
今回のテーマは「フレンチスクール」。7月2日から9月23日までの約2ヶ月半、60の展示と50のワークショップが朝から夜遅くまで開かれる。特に最初の1週間は「オープニングウィーク」として、様々なシンポジウムやワークショップ、ポートフォリオレビューに多くの写真関係者が詰めかけた。
メインの展示は、フランス写真学校の名門、アルル国立高等写真学校(ENSP)の卒業生から選ばれた作品で構成された。展示会場のパーク・デ・アトリエは元倉庫だった場所。その広い敷地内は主に5つの会場に分かれ、国際的に活躍する有名写真家から若手まで、見応えのある作品が並んだ。なかでは、1991年にENSP卒業の小野規が、日本人作家として展示に参加し、震災から8ヶ月後の東北を記録した写真を発表した。
夜は、古代ローマ劇場を会場にイブニングスクリーニングが行われ、歴史的な空間に設置された大型スクリーンで写真を見るという体験を多くの人が楽しんだ。初夜は「マグナム・プレミアム」として、マグナム・フォト所属の20人の写真家たちが、「自分が写真家になった第一歩目」についてプレゼンテーションを行った。他にはカルティエ・ブレッソンやエリオット・アーウィットなどのプレゼンテーションもあった。
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