「オムニローグ」展 あなたの声はわたしの声

HAPPENINGText: Fann ZJ

ホストとゲスト。外国人と方言。二つのアジア文化は協同し、どんな違いも親しみへとぼんやりと移り変わり始める。

国際交流基金が日本のアーティストとアジア太平洋地域の若手キュレーターによる共同企画として、2011年から行っている「オムニローグ」という展覧会シリーズの最後を飾るのは、「Your Voice is Mine」(あなたの声はわたしの声)。

Omnilogue: Your Voice is Mine

このフィナーレでは、6人の日本のアーティストが場所、文脈、歴史、文化、生活と現実の境界を越えた音声と映像の対話を通して、土地の固有性を反映した文化交流を示唆した。

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“New Hell – What kind of hell will we go to?”, Takayuki Yamamoto, Video Installation, 2013 (On going from 2010)

山本高之のビデオインスタレーション「どんなじごくへいくのかな」では、地元の子供たちの視点を通して、中国神話や仏教の描写、10の地獄の審判(シンガポールにある中国神話や道教の教えをモチーフとしたテーマパーク「ハウパーヴィラ」のような)を連想した架空の地獄をつくり出すことで、文化によって異なる質問の文化や、生活、モラルと罰といった現代的な概念を示す作品。ビデオ作品と、ワークショップでの子供たちの作品は、毎日の生活の要素から心に描く地獄の姿を描写し、文化や先入観を映し出す。

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“Platform for sharing her stories”, Fuyuki Yamakawa, Sound Installation, 2013

山川冬樹のサウンドインスタレーションは「プラットフォーム・フォー・シェアリング・ハー・ストーリーズ」は、過去の思い出の追憶に観覧者を誘い、黒い立方体の中で、過去、現在、未来が交差する。山川と祖母との会話の音声に、シンガポール人たちが語る彼ら自身の祖母との思い出の語りが重ね合わされている。シンガポールの中心からライブサウンドが挟み込まれ、唯一の視覚的なビジュアルはモノクロの写真である。暗闇の中では、人は言葉と音からイメージせざるを得ないのである。

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スティーブ・ベイカー
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