ギルマン・バラックス
新たな軍勢がギルマン・バラックスに最近突入して来た、と言っても軍隊ではない。陽気さ、洞察力のある瞳、そして好奇心を備えて、この探検家達は新しい繋がりを求めている。ご存知の通り以前の英国植民地のバラックス(兵舎)はアレクサンダー・エリアの植物が青々と茂った中にあり、シンガポールアートのルネサンスの背景を感じさせる。
シンガポール現代美術センター(CCA)に支援されているギルマン・バラックスは、13の国内外のギャラリーで形成され、アジアの新しい現代美術の拠点になる事を目指している。創造的なプログラムと白い建物の再利用により、古びた様子の柱と壁が作品を囲み、新しく鮮やかさに満たされた廊下と歴史的な魅力が残された外観とのコントラストが感じられる。
ミヅマアートギャラリーの最初の展示では韓国人肖像画家ハン・クー・カンが紹介された。昨年の頭にもシンガポール・アート・ミュージアムで展覧会を開いたミヅマアートギャラリーのクロッシング・ゲイズでは二つとして同じ様式や主題の作品がない。ハン・クー・カンは巨大で複雑な肖像画作品で彼自身の想いを表現し、新しい見方や彼の不安感、心情といったものを共有する作品を展示した。
集団の中の唯一の現地のギャラリー、フォストギャラリーは「無題」(Singapura#90)と共に現地の作品を紹介した。フォストの空間を定着させたのはタン・ダ・ウーのインスタレーション作品「ハマーズ」では互いに急に飛びかかる赤い斧が慌ただしい動作を作り出し、観覧者の注意をこの敵対したダンスのような光景に引きつける。
チュン・カイフェングの「サム・ディーパー・レコグニション・イズ・アット・ワーク」はシンガポールの団地のヴォイドデックス(アパートの1階にある典型的な交流の場)を表現している。飾り気がなく、どこか冷たさが打ち出された見覚えのある空間では別々の人格を白いギャラリー空間の中で表現している。一見それはばらばらでありながら、全てが一致しているのだ。
続きを読む ...