パワーハウス・ブックス
PLACEText: Garry Waller
1995年に設立され、アートや写真を取り扱うインディー出版会社の「パワーハウス・ブックス,」が、待ちに待ったそのドアを開いたのが2006年。約950平方メートルあるショールームと書店スペースを持つそこは、通りがかりの人も音楽好きも同じようにして、写真とアートの融合した魅力ある世界へと招いてくれる。1995年に立ち上がったその会社は、アートと写真本ジャンルの再定義を目論み、著名と無名両アーティストとのコラボレーションを行った。リロイ・ニーマン、ヘレン・レヴィット、マグナム・フォト、ダニー・ライアン等の作品が、対する新人のジャメル・シャバズ、ブギー、クリストフ・バンガートやピーター・サザーランド等と並んでいる。
この展示スペースと書店を併せもつ「パワーハウス・アリーナ」(以下アリーナ)は、アーティストコミュニティの中ではホットでクリエイティブなスポットとして知られ、ダンボ地区にオープンした頃から展覧会、パーティ、ライブパフォーマンスなどを主催している。しかし、単なる本屋に足を踏み入れただけだとしても、好奇心をそそる魅力的な幅広い作品と出会う最高の機会をくれるのだ。写真作品集が溢れるほどあるアリーナではかなりの時間を費やすので、時が経つのを忘れてしまう。たとえ何も買うつもりがなくとも、広々としたスペースでは、歩き回り、時間を費やし、その場所に誘われどっぷり浸り込んでしまうのだ。他にも、種類豊富な雑誌、カード、デザインのものなどあるが、僕にとっては、本を見ているだけで、アリーナへの旅が価値あるものとなるようだ。
ひとたびその扉の外にでるならば、アリーナのあるそのエリアは、本と同じくらい探索する価値あるところだ。古きニューヨークの歴史的面影が沢山残る素晴らしい環境。丸石で舗装されたストリート、工業ビル、マンハッタン橋と象徴的なブルックリン橋に挟まれた場所。ダンボは、急速に変化している地域で、最近はニューヨークを代表するアート地区のひとつとして頭角を現している。多くのレギュラーイベントが、歴史あるブルックリンで行われ、アリーナは、まさにそのど真ん中に位置しているのだ。
何年もの間パワーハウス・ブックスの共同パブリッシャーを務めるローゼンさんは、以前シフトで紹介した、パワーハウス・ブックスから出版されているピーター・サザーランドとブギーの記事でも、快くサポートしていただいた。今回、彼女のパワーハウスでの仕事について伺うことができた。
パワーハウス・ブックスにはどのくらい勤めていますか?
2000年からです。その頃はまだ、マンハッタンのヴァリックストリートに小さなオフィスがあって、ダニエル・パワーとクレイグ・コーエンしかスタッフがいませんでした。
どのようなことをされているのですか?
いくつかやっていて、パワーハウス・ブックスの共同パブリッシャーやミス・ローゼン出版の発行人でもあり(2005年にスタートしたパワーハウスでの自身のインプリント)、パワーハウス・ブックスのPRとマーケティングの副社長でもあり、ニューヨーク・フォト・フェスティバルの広報ディレクターで、パワーハウス・マガジンの編集者でもあります。
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