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「ペンギン賛歌」展

HAPPENINGText: Alicia Tan

『イギリスには低価格で質の高い書籍に対する非常に幅の広い読者層が存在することを信じ、それに全てを賭けた』—アレン・レーン(ペンギン・ブックス創始者)

ペンギン・ブックスから出版された新旧の書籍を揃えた斬新な展示をお勧めしたい。シンガポールのサブカル系ブックストア、ブックス・アクチュアリーで開催されている展覧会、「ペンギン賛歌(An Ode To Penguin)」はアートと歴史の観点から掘り下げており、会場では1065のペンギン・ブックスの表紙と関連資料が展示されている。電子書籍に次々と取って代わられ、ますます本が少なくなっている世の中で、ブックス・アクチュアリーの素晴らしいスタッフ達が本のテキストやビジュアルの美しさを世間と分ち合おうとしていることに胸が暖かくなった。

An Ode To Penguin

かつてシンガポールの旧国会議事堂として使われた歴史的なアートシアターで開催中のペンギン賛歌では、本と表紙の関係性に焦点をあてている。カレン・ウェイが手掛ける繊細なチョークドローイングでは、小振りな作品の中にペンギン・ブックスの歴史や、ペンギン・ブックスの基礎を作りその発展に貢献してきた人々のことが記されている。

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ペンギン賛歌は10年近くに渡って無償で運営されている。1065冊の本は5枚ある展示版に一冊一冊丁寧にはめ込まれ、一面に本の壁を築き上げている。それぞれの本の列やセクションにはローマ数字で印が付けられており、来場者はそのローマ数字と解説とを照らし合わせて各シリーズの背景を確認することができる。

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10代後半の若者向けの作品を扱ったピーコック・ブックスのように、あまり知られていない出版物も発掘して一般に公開している。来場者がノスタルジックな感覚を楽しむことができる、秘められた過去への旅なのだ。

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