ヴォルサロンゲン 2011

HAPPENINGText: Sara Överengen

生きた苔の上に置かれているアクリル製の実物大の棺を見せることで、ジニ・ヘドブロムは私達に現実的な死を考えさせようとしている。つまり、いつか起こりうる死としてではなく、必ず起こる死として。

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ヘドブロムと同じように、ジョセフィン・シェストレムもまた、生と死の境界をテーマに作品を制作している。ガラス容器の中で、わずかに動いている2つの肉片。電磁気によって制御されたその動きはまるで鼓動のようで、その肉片が生きているかのような感覚を覚える。

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昨年のダン・レスタンダーの展示で、聖歌隊が穴の開いた氷の中に入って歌っているという寒々しい映像があった。その映像は1カットで撮影されていたようだった。今年はそれを更に発展させ、彼自身の下半身を氷の中に浸け、ゆっくりと頭を回転するというものだ。彼は不可能を探ろうとしている。

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ダイアグラムは、以前にもスプリング・パーラーに出品したことのある2人組みのアーティストだ。今年は2点のインスタレーションを展示した。ひとつはビデオ映像、もうひとつはフレームに入った白い画用紙。映像には彼らの手が映っていて、片方の手は絵を書いているが、もう片方はそれを消している。このインスタレーションで表現しているのは、彼らの共同作業は時々は大成功するが、時々は今回のように、ただの白紙になることがある、ということだ。

Vårsalongen 2011 / The Spring Parlour 2011
会期:2011年1月27日〜3月27日
時間:11:00〜17:00(火・木曜20:00まで、月曜休み)
会場:Liljevalchs Konsthall
住所:Djurgårdsvägen 60, 115 21 Stockholm
入場料:80/60 SEK
TEL:+46 (0)8 508 31 341
https://www.liljevalchs.se/varsalongen/

Text: Sara Överengen
Translation: Yuki Nakagawa

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