第14回 文化庁メディア芸術祭

HAPPENINGText: Memi Mizukami

第14回文化庁メディア芸術祭が2月2日より国立新美術館をメイン会場に開催されている。14回目となる今回は世界49カ国から2,645点の応募が届き、過去最多の記録となり受賞24作品と功労賞1名が決定した。回数を重ねるたびに応募作品が増え、その時代に即した作品やプロジェクトはもちろんのこと、不変的なメディア芸術としての面白みを模索した作品が軒を連ねて展示される貴重なフェスティバルである。アニメーションや漫画での受賞項目があるところも日本ならではといったところだろう。

第14回文化庁メディア芸術祭

展示会場はアート部門大賞作品である「Cycloid-E」が東京ミッドタウンで展示されていることを除けば、全てが国立新美術館で行われ、部門によってブースを設けたということにより前年よりも広々とした空間の中で作品を楽しむことができる。なおアート部門大賞を受賞したミシェル・デコステールとアンドレ・デコステール兄弟による「Cycloid-E」に関しては、国立新美術館の会場でも、現物のミニチュアとして作られたものが、ガラス窓の中で小さな生き物のように動き回りながら展示されており観ることができる。

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Michel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD (Cod.Act) “Cycloïd-E”

東京ミッドタウン地下一階の吹き抜けで展示されている「Cycloid-E」。目一杯広がった時には直径がおよそ10メートルにもなるというこの作品は、未来感を怖い程に感じる美しい作品だ。遠心力や重力など、動きとして理解できるものの魅力が自然界にあるとすれば、この作品にはそれの真逆をいく人工物としての大きな魅力を、その見た目、動きや伴う音から発揮している。不可触であるものに対して実像するものからの情報量の多さには、やはり強さを感じると同時に純粋に面白く、何より格好いい。

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