サイレント
PEOPLEText: Rebecca Toh
シンガポールのデザイン事務所サイレント(SILNT)。アートディレクターのフェリックス・ングとスタジオマネージャーのジャーマイン・チョングにより経営されているこのスタジオは、清潔感にあふれ、かしこく、控えめ、且つ豪華なデザインで知られている。独自のブランドとデザインコンサルタント業の他に更に二人は、シンクタンク、アノニマスを結成し活動している。
フィレックスとジャーマインは、ベルリン、東京、上海、そしてクアラルンプールを巡った巡回展「デュアル・シティ・セッションズ」や「ア・デザイン・フィルム・フェスティバル」(アジア初)、そして「見落とされ正当に評価されてこなかったアイディア、声、そして過程」を特集した雑誌「ブラケット」の出版を手掛けてきた。
更に二人は最近、ユニークで型にはまらない横向きデザインのカレンダーの第二版を創作したばかりだ。どのようにしたらこの様な事が可能なのか、サイレントの設立者兼アートディレクター、フィレックス・ングの話を伺う事ができた。
自分のデザインスタジオを持つというのはどんな感じですか?
とても自由ですし、色々な人達と出会えます。
日課にしていることはありますか?仕事の仕方を少し教えてください。
私は夜に活動はしませんね。ですので、毎朝早起きをしています。4時くらいです。そして5時から11時にサイレントの仕事をしています。もしミーティングがなければ、その日の午後はアノニマスの仕事に時間を使います。
現在スタジオでは何を手掛けていますか?
現在はフレグランスブティックのイラストとブランドウェブサイトを仕上げているのと、「ブラケット」2号の企画、あと2011年の「ア・デザイン・フィルム・フェスティバル」の映像を審査しています。2011年は面白いプロジェクトがいくつかありとても楽しみです。
サイレントはお二人でつくられていますね。また、スタジオでは同時に沢山のプロジェクトにとりかかっていてとても忙しいかと思います。それをどう対処していますか?
それは、時間管理と何かを犠牲にすることだと思います。
クリエイト系の人達の大きな誤解の一つは、組織が嫌いだと言う事、そして私達のほとんどがそんな自己達成的予言に落ち入るということです。時間を使って自分達の考えや必要な事を整理する事の必要性を拒否するのです。また犠牲ということでもあるのですが、自分のやりたいプロジェクトができるという事は、大抵あまりお金にならないという事です。その代わりに自分に必要のない物にあまりお金をかけず、そして存在するビジネスモデルに自分のライフスタイルを合わせる必要がある、そういう犠牲があります。
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