ミニ・モリ・ビデオ・ツリーズ
グローバル化が進んだ世界で、文化や言語、地域を超越しているアート。その環境問わず、身近で新鮮みのあるものに変えてくれる国際文化の中に、テーマ、コンセプト、素材として溶け込んでいるのが、イメージやピクトグラフ、音楽だ。
そんな現れのひとつが、情熱や寛大な心、才能がぶつかり合い作用するイベント「ミニ・モリ・ビデオ・ツリーズ 」である。ニューヨークと東京を経由し、そして今回シンガポールで開催となったこのイベントは、写真コンセプトストアのピークによるもの。国内外の才能が集結し、様々な分野から写真を素材とした作品が寄せられた。
トイカメラのデジタルハリネズミ2++を装備したアーティストやスタイリスト、デザイナー、キュレーター、俳優が日常の断片をドキュメントし、映像と写真による作品を展示した。
シンガポールでメイキャップアーティストとして活躍するクラレンス・リーは、海外での仕事の際に、デジタルハリネズミ2++を持参したという。そんな彼は、オフ時に、中国やニュージーランドでのゆったりとした瞬間を写真におさめたそうだ。
ヘアスタイリストの日常の旅へと連れていってくれたのは、日本人によるヘアサロン「キズキ+リム」。作品では、サロンでの仕事から、街の中心部にある、現在は使われていない時代を感じさせるスイミングプールでの休息までと、その飽和した色やテクスチャが見過ごされた風景に新たな様相をもたらした。
会場では、シンガポールのローカル集団、ファームのキュレーションによる「フォトツリー」を背景に、アンダーグラウンドDJとして活躍するダイアナ・チアキやスーパーヘッズ・DJチーム、シンガポールで人気のDJのアンドリュー・Tとエイドリアン・ウィーによるサウンドを展開した。彼らの発するビートと共鳴するかのようにフラッシュする映像が、デジタルな壁をつくりだし、ニューヨーク、東京、そしてシンガポールを舞台にしたコラージュ作品を映し出していた。
Mini Mori Video Trees
会期:2010年10月1日(金)〜31日(日)
会場:Peek!
住所:36 Armenian Street, #01-04/02-04, Singapore 179934
https://www.superheadz.com/peek/
Text: Fann ZJ
Translation: Mariko Takei
Photos: Peek!