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ソフトサークル&ハイウルフ・アット・ヴァカント

HAPPENINGText: Memi Mizukami

9月29日に原宿にあるヴァカントNO IDEA主催のイベント「ソフトサークル&ハイウルフ・アット・ヴァカント」が行われ、3組の異なった世界観を持つバンドが、それぞれのパフォーマンスを見せてくれた。音楽やアートなどの活動も多く見られる今回のイベントは東京の文化を堪能する一夜となった。

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Photo: Ryosuke Kikuchi

シャンソンシゲル率いる四人編成のバンドでイベントはスタート。客席の前方に座布団が敷いてあり少し後にはいくつかの椅子が並んでいるため、自然と演奏を聞くと同時に見入ることになる。シャンソンシゲルの小さな/大きな叫びと演奏に加え、VJ浮舌大輔によるサイケデリックな映像で、今回のイベントを少し奇妙な、クラブでもライブハウスでもない空気感を作ることに成功していた。演奏に没頭する彼らを感じようと、猫背の彼らを食い入るように観察し高揚しいている、あっという間に彼らのライブは終わりを遂げた。

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この日のイベントは、一階でも非常に盛り上がりをみせていて、お酒を楽しむ人やZineを読む人などでごった返していた。更にシャンソンシゲルのCDジャケット等で用いられたアートワークの展示も同時に行われ、コラージュの作品やイラストレーション、立体作品が展示されていた。先日まで金沢のギャラリーで展示を開催していたシャンソン氏は、既存の絵本に何か別のものを張り付けるなど子供の頃からコラージュすることが好きだったそうだ。アート作品を作るときは、依頼されたものでない限り、ほとんど勢いで作るらしく、独特な間合いと反立体的な空間を感じる作品にはバランス感覚の良さを感じる。シャンソン氏の音楽もアート作品もどこか似た世界観があり、即興的で品のある土臭さがある。そしてとにかくキュートだ。

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Photo: Ryosuke Kikuchi

2つ目のライブでは、ブラジルのハイウルフが太鼓の音と共にライブをスタート。覆面アーティストと称して活動しているハイウルフは、沢山の音を作る為のガジェットを駆使して文字通り音を作っていた。VJはまるでロールシャッハテストの様で完全に楽曲と相互作用が働いていた。

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Photo: Ryosuke Kikuchi

ライブはソフトサークルの2人のライブで最後となる。ソフトサークルのヒシャム・バルーチャは、ボアダムスのメンバーとしても知られているが、現在はベンジャミン・ヴィーダと共に活動をしており、今回のライブでの息の合ったミニマルで美しい演奏は、ウェス・アンダーソンの映画のようだった。ヒシャムの活動は精力的で、音楽だけでなく写真やビジュアルアートなど、様々な活動を通して人々に知られている。今回のイベントフライヤーのビジュアルもヒシャムによるものだ。

なんだって平日の真っ只中に、こんな魅力的なイベントが行われるのだろうか?と思ったことは、超満員で賑わうイベントを楽しんだ後にはすっかり忘れていた。シャンソンシゲルがMCの時に『今日を楽しんでまた、明日から頑張りましょう』と言っていたのが印象に残った。

Soft Circle & HIGH WOLF at VACANT
会期:2010年9月29日 18:30開場 19:00スタート
会場:VACANT
住所:東京都渋谷区神宮前3-20-13
TEL:03-6459-2962
https://www.n0idea.com/vacant/

Text: Memi Mizukami

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