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珍しいキノコ舞踊団

PEOPLEText: Mariko Takei, Fumi Hirota

今回の新作では、影や香りを使ったインタラクティブアートを手がける「plaplax」(近森 基+久納鏡子+筧 康明) とコラボレーションしていますね。珍しいキノコ舞踊団のダンスパフォーマンスとplaplaxの作品がどのようにインタラクションしているのでしょうか?

映像とダンスっていうと、これまでの印象では、映像はすでに準備されていて決定されているものだけど、ダンスはその場で起こる「生」のものだから、一緒に舞台にあげると、どうしても映像にダンスを合わせなくちゃいけない場面が出てくるんです。そうなると、踊りのほうが窮屈になってしまう。でも、映像というより、そのシステム自体をきちんと踊りについて考えながら作り上げることで、踊りに合わせて映像がインタラクションすることができる。これは、私たちにとって初めての試みですね。そのシステムの構築は、実験と調整を繰り返して、すごく大変なんですけど、今まで私たちが「窮屈だな」と思っていた部分は解消されたように思います。自由に踊っていれば、そこに映像がついてきてくれるっていう私たちにとって新しいことが起きようとしています。舞台の要素としては音楽と美術と照明がある。そして、それらと同じように映像があります。だからこそ、それらと踊りのバランスを上手く組み合わせるように考えることができるのだと思います。


minim++「Tool’s Life」(2001)

plaplaxとのコラボレーションの他、音楽はバッファロー・ドーターの大野由美子さん、衣装にはAOMIさんが担当するそうですね。今回の新作を発表するにあたり、誰と共同制作をするかの選択など、それぞれの担当を決める上で決定的な理由などありましたら教えて下さい。

大野由美子さんとは、7年くらい前から知り合いで、もともと私が大ファンだったんです。バッファロー・ドーターのライブにも出していただいたり、珍しいキノコ舞踊団の公演を見に来ていただいたり、これまでにも色々と関係はありました。「いつか一緒になにかできるといいね」と、お話しもしていたのですが、今回、思い切って、「本当に一緒にやってもらえませんか?」とお願いしました。昔から大ファンだったので、今回は、本当に夢が叶ったような感じですね。ちょうどそのころ、衣装を担当してくださる方を探していて、由美子さんにもご相談しました。そこで紹介していただいたのが、AOMIさんなんです。AOMIさんと実際にお会いしてみると、今まで出会わなかったことが不思議なくらい、共通の友人などもいて…。そこで、意気投合して、今回の衣装をお願いすることになりました。plaplaxさんとは、YCAMを通じて、初めて共同で作品を制作することになりました。これまでも一緒に舞台をつくる方について、私が直接お願いすることもあれば、周囲の方々から「一緒にやってみてはどう?」とお誘いを受けることもあります。「ザ・レイニィ・テーブル」のplaplaxさんがまさにそうです。ほかにも、生意気さんとの出会いなんかは、「こんな人たちいるけど、一緒にやってみてはどう?」と周囲の方から教えてもらっています。本当にこういった出会いというのは、色々な繋がりから実現することが多いです。

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