松原 慈

PEOPLEText: Mariko Takei

インテリアも幾つかありますが、2007年10月にオープンしたティンバーランド渋谷公園通り店は、リサイクルとエコロジーをテーマにしていたので、ストーリーのある廃材だけを使ってデザインしました。広島の神社を改築するときに足場に使われていた木材を使って床を作ったり、嵐で倒れた若い木をそのまま使って動く森を作りました。

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Timberland Concept Store, 内装設計, Tokyo, 2007 Photo: Sebastian Mayer (AEIOU)

一番最近は、建築学生のイベントに呼ばれて「絵本と、建築」というワークショップをしました。

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Picturebook & Architecture, ワークショップ, Tokyo, 2007 Photo: Sebastian Mayer (AEIOU)

参加者にはまず、空間的な模型を作ってもらいました。新聞紙やアルミホイルなど薄い素材で、とても立体的な模型ができ上がりました。その次に、参加者にはその瞬間まで伝えないでおくのですが、その模型を2次元に平たくつぶしてしまいます。ぺったんこに。そして、つぶれた模型をキャンバスに貼り、3次元だったものが2次元になったことで失われてしまったストーリーや、見えなくなってしまったものを、文字やドローイングで表現してもらい、それを絵本としました。この過程は、なかなか気に入っています。

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Tremors were Forever: Remember Le Corbusier, ワークショップ及び展示, 森美術館, Tokyo, 2007 Photo: Sebastian Mayer (AEIOU)

少しつながりがありますが、昨年、雑誌「ユリイカ」の誌面と森美術館で子どもたちとル・コルビュジエにまつわる作品作りをしました。ここでは、子どもたちに、丸眼鏡と蝶ネクタイを贈られ、建築家になりきって初めての建築を作りました。

また、今月まで、丸の内のカウ・パレードというイベントで、制作した牛の彫刻作品「軽さ、または重さの絶対的不在」が展示されています。

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Lightness, or absolute absence of weight, パブリックアート, Tokyo, 2008 Photo: Sebastian Mayer (AEIOU)

普通は牛に絵の具で絵を描くものらしく、制作途中では、私の牛だけややこしいと委員会に言われてしまったりして、少し大変だったのですが、先日訪れたらおばあさんと小さな子どもが同時にシーソーに乗った牛と戯れていて、とても嬉しくなりました。

また、インタラクティブの作品では、夏にオンラインで見る「 同時に存在する2008年8月のための日記」という作品も作りました。重なる雑多なざわめきと記憶の地図です。この作品は、早稲田大学で情報工学の研究をなさっている久保陽太郎さんとのコラボレーションでもあります。(オンラインマガジン「Public/Image」の特集企画「クリエイターを刺激する土地・都市・街」に合わせて制作)

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スティーブ・ベイカー
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