ポートランド・ファッション・ウィーク 2007
HAPPENINGText: Lisa Radon
エミリー・ライアンとリーン・マーシャルの二人は彼女たちのライン、リーニマルは革新的な表面のディテールが印象的な彫刻風とも言える作品を披露した。エミリー・ライアンによる、水平のひだのついた、マント付き(ウエストに付いているもの、PFWがテーマのよう)の硬いワンピースの上にギャザーの丸い装飾の付いた作品は素晴らしく、表面のディテールがこのドレスを構成していた。また、有機的なギャザーのインセットや首もとのジャボのようなひだ飾りのついた膨らんだスカートの複雑なドレスも印象的であった。
Emily Ryan and Leanne Marshal
スージー・ジョンソンのカシミアライン、ソウチは秋というよりも春に似合いそうだった。タンクやショーツ、カーディガンやヘルムートラングのような解体されたかのような美しいドレスを見ることができた。
Souchi
メンズではジョン・ブラシオリによるア・ブローケンスポーク(ザ・ディセンバリスツの衣装を担当)は一風変わったベスト、ざっくりとしたジャケット、形の良いデニム、そしてレディースのラインにありそうなディテールやカットの細かいライン、白っぽいベストの首の後ろの方に布で覆われた3つのボタンのついている物や、ほぼセーターのようなクリームカラーのベスト等を見せた。
A Broken Spoke by John Blasioli
エミリー・カッツはクローゼットからすぐ出して着られるような、おそらく一番使えるモダンラインを私達に披露してくれた。「Wow」という名の毛羽たったフリースのレインコートや、オーガニックコットンの巻物やずきんのような首もとのドレスといったベーシックなラインもあった。
イタリアのファッション界での豊富な経験のあるアンナ・コーエンはデザイナーの中でも、凄まじく持続性のある人物である。彼女のスプリングコレクションは芸術的なドレーピングとさくっとした仕立ての調和が良く、美しいラインのジーンズやパンツと小さなトリムジャケットが印象に残った。
竹製のランウェイやリサイクルされた布や素材、低いエネルギーのライト等を使い、ポートランド・ファッション・ウィークのオーガナイザー達はイベントを通じて持続可能性について私達に考えさえた。ヘアーを担当したチームはポートランドで作られている「Sidlab」という環境に優しいヘアプロダクトを使用し、全てのフードとワインはオーガニックであった。
ポートランド・ファッション・ウィークは運命と共に、この都市のファッションデザイナーのコミュニティにスポットライトを長い期間当て続けることを証明してくれるようだ。
Portland Fashion Week 2007
会期:2007年10月19日(金)〜24日(水)
会場:Vigor Industrial
住所:5555 North Channel Avenue, Portland, OR 97217
https://www. portlandfashionweek.net
Text: Lisa Radon
Translation: Junko Isogawa
Photos: Pete Springer
