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第5回 ブエノスアイレス・ファッション・ウィーク

HAPPENINGText: Gisella Lifchitz

第5回ブエノス・アイレス・ファッション・ウィーク(BAFウィーク)が、今年も4月7日から10日に渡って、ルーラル・ソサイエティーにて開催された。テーマとデザイナーのモチベーションのリンクの強さが感じられた今回のファッション・ウィーク。もちろん、ユニークさに関しても秀でた作品ばかりだ。

色、感動に浸る人々、楽しい瞬間、美しいモデル達、そこでの新たな出会い、見たいという気持ち、見てほしいという気持ち…。このどれもが、幕が挙げられない限り発生しないことばかりだ。

このイベント、今回を最後に「BAFウィーク」ではなくなってしまう。次回からは、ブエノス・アイレスという街との結びつきを更に強化し、地元のデザインシーンを紹介する「ファッション・ウィーク」としての開催になるというのだ。しかし、アルゼンチンならではのルーツや伝統的な見地は以前と変わらぬまま。それを象徴するかのように、今回最も注目を集めたファブリックは、レザー。レザー特有のあのにおいや肌触りと共に、レザーという素材が地元だけではなく、海外からのビジターの心もしっかり掴んだようだ。


UMA

エスニック風ガウチョ・スタイルの斬新なミックス。それに、遊び心を存分に取り入れたことで、80年代を彷佛とさせるような、白と黒を基調としたピュアでロマンティックなファッションが完成した。「UMA」は、今回フィーチャーされたメインショーのひとつ。その「UMA」のデザイナー、カロリーナ・アインシュタインが挑戦したのが、様々な素材をふんだんに取り入れるという試み。アルゼンチンまでの遠路を旅する、自立心旺盛な現代風の女性像を作り上げるのが目的だ。


UMA

ショーは、文字どおり色の大爆発といった感じ。明るい青と黒、爽やかな緑と茶色、オレンジと黒、バラ色とベージュという組み合わせは、私達の目を刺激してくれたほんの一部。そしてこの「UMA」のショーは、今回開催された多くのショーの中でも、もっとも国際色が強いように思われた。力強さに関しては他を寄せつけず、生地とデザインの美しいコンビネーションを演出。アシスタントにとっては、もっと見たい、次は何?といった衝動にかりたたされるものではなかったのではないだろうか。

『今回のファッション・ウィークでは、80年代スタイルの復活が主流だと思います』というのは、デザイナー、マリナ・カサスの見解。ヘアスタイルから、アクセサリー、そしてもちろんメイクに至るまで、まるであの時代に戻ってしまったかのよう。その中でも唯一、その80年代風の空間とマッチしていなかったのは、我慢できない程の音量で流されていた、エレクトリニック・ミュージックだ。しかし、その音楽があることで、パンク、ロックスター、サベージ・バロックが主流だった80年代から、20年という月日の長さを感じることができたのは、何だか不思議な感覚だった。ちょっとしたデジャブのような錯覚を味わった後は、さぁ、次のショーを見に行かねば。

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