テイ・トウワ

PEOPLEText: Shinichi Ishikawa

「プロダクションは自己表現」

僕は全然完璧主義じゃない。完璧主義だったら、DJのような即興はやっていないと思う。プロダクションのプロセスのひとつひとつは即興ともいえるけどリスナーは完成形しか聴けない。その点DJというのは現場で即興をお客さんにみせる。DJという仕事は制約があるからおもしろい。クラブに来る人って大きな音で楽しみたい、踊りたい、ナンパしたいという目的があるから、それにむけてプレイしないといけない。

DJというのはサービス業だと思っている。対してプロダクションは自己表現。もちろん結果として、聴いて良いなと思う人がいたら嬉しいし、いろいろな人に聴いて欲しいから流通もメジャーにしている。サービスはまったく無いという訳ではなくてプライオリティとして自己表現が高いということ。


Sweet Robots Against The Machine/Towa Tei」(2002)
別名義による2枚目のアルバム。開放的のあるポップ感のある仕上がり。デニース・ウィリアムスのカヴァー「FREE」のPVは麻生久美子が出演して話題になる。

「時間があったほうが良いものができるとは全然思わない」

DJをするとき「これとこれは、つなぎが良かったからまたかけよう」「これは先週かけたら、今回はやめよう」と、考える前に手が動く時がある。フェーダーの動かし方とか、音の混ぜ方に自然な感じでできることがある。これが自分のいう「筋肉」。こうした「筋肉」はお客さんがいるからつくと思う。一人だとジムみたいなもので続かない。「筋肉」から出た動きをプロダクションにフィードバックしようと思う時もあるけど、朝起きたら忘れてしまう。緻密な人間にみられるけど、物ぐさなんでアイディアをメモとったりはしないので。


Motivation Five Compiled by DJ Towa Tei」(2007)
監修のコンピレーションシリーズ。DJ TOWA TEIとしての魅力を感じることができるアルバム。第5弾を2007年6月20日にリリース。

実はスケジュールが真っ白な方が好き。でも、時間があった方が良いものができるとは全然思わない。僕は1日で60分のアルバムを作れるタイプでないからDJをやっているんじゃないかな。DJもレコードを買ったり、用意したりはあるけど。その日お客さんの前に立った時に「今日はどうしょうかな」とリアルタイムで考えたり。60分が60分で終わるから、好きです。


大日本人」(2007)
企画・監督・主演:松本人志
脚本:松本人志・高須光聖
主演:竹内力、UA、神木隆之介、板尾創路
音楽:テイ・トウワ
制作:吉本興業株式会社
配給:松竹株式会社

松本人志 第一回監督作品「大日本人

映画音楽はずっとやりたかった。サントラというのは、自分の音楽をやるというよりも監督のニーズに答えつつ自分の音楽をやることだと思う。でも、僕は器用なタイプではないから、できないことはできない。そのあたりは分かってもらって監督より僕にキメ打ちで依頼が来たと思う。本当、僕は意外と不器用ですよ。映画自体は賛否両論出そうな凄く独特な作品だと思う。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE