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テイ・トウワ

PEOPLEText: Shinichi Ishikawa

「有るともいえるし、無いともいえる」

今、僕は軽井沢に住んでいる。東京には新幹線で1時間ほど。今は東京に目的を持って出かけるので、住んでいる頃より東京を満喫できている。友達の事務所に行ったり、クラブに行ったり、レコ屋に行ったり練り歩いてる。レコ屋は今はネットでも買えるから行く回数は減っている。

生活環境の違いによるクリエイトすることへの影響は、有るともいえるし、無いともいえる。自分自身だって昨日と今日では細胞が死んだり、生まれ変わったりして、違っている訳だから。東京に住んでいても、軽井沢に住んでいてもクリエイトすることについて気分的な違いはない。僕はあんまり地方性というのは興味はなくて、自分のマインド・コンディションとか、ボディ&ソウルが大切。自分の体と精神があれば、どこでも仕事はできる、と思っている。もちろん環境の影響というのはあると思うけど、あんまり考えない。よく僕の作るものは「東京発の音楽」とかいわれるけど自分ではあまりピンときていない。


4th Album「FLASH」(2005)
明るい日差しのような気持ち良い仕上がり。坂本龍一、カイリーミノーグらが参加。ジャケットのアートワークはBarry Mcgee。

「近所で事足りる都市だよね」

札幌については個人的にはラーメンが好き。クラブについてはハウスが昔から強い気がして今も昔もそれが変わらないのは札幌だけかな。他の都市はテクノや、ヒップホップ、レゲエが強かったと聞いたこともある。東京から引っ越す時、札幌へというのもちょっと考えた。食べ物はおいしいし、魚介類も豊富だし。札幌は近所で事足りる都市だよね。軽井沢はそうじゃない。クラブも無いし。札幌は良い街だと思う。


BOOK「TOWA TEI / LOOK」(2005)
作品のアートワークから自身が撮った写真を素材に15年に渡るアーティスト活動を凝縮。デザインにエンライトメント、タイクーングラフィックスも参加。B5変型判/272ページ。


Sweet Robots Against The Machine/Sweet Robots Against The Machine」(1997)
別名義によるアルバム。パトリース・ラシェンの「フォーゲット・ミー・ノッツ」のカヴァーを含む2枚組。2枚目はバリの環境音楽的作品。テイ・トウワの別の顔を感じことができる。

「僕は野望も大きな夢もない」

クリエイトすることについては、外に対してどう発信するか、というのを考える。「作る」モチベーションっていろいろなところにあって、それをいかに自分の体にある回路に「作る」という方向に変換できるか、ということだと思う。昔はとにかく、やみくもに作るという時期があったけど、今はピンとこないと作らない。作る量は減ったけど打率は高くなっていると思う。僕は野望も大きな夢もない。でも、やりたいことは沢山ある。そういう部分も含めておもしろい、と感じられれば楽なんじゃないかな。

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