チームラボ「学ぶ!未来の遊園地」

HAPPENINGText: Amelia Ijiri

デジタル技術を使い世界との境界線を曖昧にする、アート集団チームラボによるデジタルアート展「学ぶ!未来の遊園地」が、7月13日から9月2日まであべのハルカス美術館で開催された。会場では、7つの部屋に展示された映像インスタレーションと、触れたり、動かすことのできるインターフェイスが観客を惹きつけた。

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「花と共に生きる動物達」 © teamLab

展覧会で最初に出会う作品「花と共に生きる動物達」では、カラフルな花々が咲いた、実物より大きなライオン、チンパンジー、キリン、クマたちが来場者とともに暗い壁のあるプレイエリアへとゆっくりと進んでいく。その先には、子どもたちが床に交通網を敷き、ブロックを動かして街を創り出すことができる「巨大!つながるブロックのまち」と題された作品がある。隣接する部屋では、子供たちは膝くらいの高さの「小人が住まうテーブル」に集まり、 はしごや雨、火、太陽を操作し、小人たちと遊びながら、ついやめられなくなってしまうようなバーチャルな世界を楽しむことができる。

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「グラフィティネイチャー – 山と谷」 © teamLab

「すべって育てる!フルーツ畑」がギャラリー空間の大半を占める部屋では、ちびっこスライダーたちが滑るたびに種が蒔かれ、花が咲き、フルーツが実っていく様子が楽しめる。「グラフィティネイチャー – 山と谷」は、凹凸のあるフィールドに、デジタル水族館として実際の海の生き物を模倣した水中の世界があり、参加者が自分で描いた生き物を見つけることができる。触れると反応する動物たちの映像インスタレーションは、「まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり」という作品だ。

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「すべって育てる!フルーツ畑」 © teamLab

美術館が今、ソーシャルメディアチャネルを通じて保存と共有を進めながら、最終的なエンターテイメントとしてアートの在り方を問いかけ、アートを通した体験をどのように保存していくかを模索している中、チームラボの暗闇の中で魔法にかけられたような空間の実践的なアートは、訪れた人が作品を共同創作し、相互交流できるような性質を生み出している。

チームラボ ★学ぶ!未来の遊園地
会期:2018年7月13日(金)~9月2日(日)
時間:10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:土・日・月曜日
会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
入場料:大人 1400円、中高生 1000円、子ども(3歳〜小学生)600円
TEL:06-4399-9050
https://futurepark.teamlab.art

Text: Amelia Ijiri
Translation: Satsuki Miyanishi
Photos: © teamLab

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