「12:12 時間の概念」展

HAPPENINGText: Emanuelis Ryklys

ヘマーソン・コスタによるコンセプチャルな時計「グリーン・ムーン」は、時間は積もり、撤回できないものというアイディアからつくられた。各時、各分、消耗がいつも現在を残すとして、消えてなくならない過去の部分はそれ自体でいつも輝いている。この時計のデザインは主な構成として非同心円から成る。月にインスパイアされた形で、時間の構成要素としての神秘さから選ばれた。


Hemerson Costa, “Green Moon”

リカルド・ジェロニモのこの展覧会に対する答えは、現在の「時間とは何か」という独自の抜本的な見解提示を目的とした、深くてコンセプチャルな問責を共にした作品だった。この作品は、2つの金属球を「軌道」とし、直径30センチの黒光りしたアクリルの円で構成されている。大きい方の軌道が時を現し、小さい方が分を現し、それらの球は磁力によって保持されている。単なる時間のコンセプトではなく、ユニバーサルな時間を具象化しながら時間とスペースを移動する。この作品が私にとって、最も変わっていると思う。時計というよりも、天文学からの作品だった。しかし、最も愛着が湧いた。素晴らしい作品!


Tiago Nunes, “Timeline”

ティアゴ・ヌーネスの「タイムライン」もまた変わっていて惹き付けられる作品だ。作家は、時間は私たちにいつもつきまとい、生活を統治する「ライフ定数」と呼ぶべきものだと言う。この私たちの時間間隔の概念は、沢山の方法で現すことができる。「タイムライン」は、歴史の時間表現に基づいており、日常の時間を具体化するために、区分されたラインに鍵となる出来事の信号が送られる。赤い光の集合によって、時間は破線で現され、時と分を表示する。一般的な円形時計ではない、ライン表示と形が著しい。


Andre Gouveia, “Serie2”

アンドレ・ゴウヴィアの「Serie2」は、ステンシル、シルクスクリーン、オフセット等様々な技術を使ってつくられた精巧な作品。ファブリカ・フィーチャーズ・リスボンの壁に直接設置され、ギャラリーの一部のように見える。


Miguel Andrade, “One”

チクタクチクタク。時間は毎秒進むが、この時計はとても静的である。時計というよりは彫刻のような。ミゲル・アンドレードの作品「One」。

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