ヘクター・アユソ

PEOPLEText: Eduard Prats Molner

では、今までに起こった最低の出来事は何でしょうか?

2003年に、僕たちがとても影響されたある出来事が起こりました。これについてはあまり話したくないですし、当時は公にならないように努めていたのですが。ダニー・ブラウンがバルセロナ滞在中に事故に遭ったことです。幸いにも彼は回復し、すでに活動を再開しています。彼の多幸を祈り、彼の素晴らしい作品に祝福を送りたいと思います。

OFFFではカンファレンスや展覧会などの基盤はもちろん、同時進行で行われる「ルーピタ」やフィルムコンテストなど、本当に沢山の種類のイベントが行われていますね。少し拡大や提供をしすぎと思うことはないですか?

それはないですね。同時進行のセクションは、このイベントの補足的なものだと思っています。OFFFの本当のメインは「ルーツ」(カンファレンス・ホール)や「ショープレイス」とは僕も思いますが、「オープン・ルーム」「ルーピタ」「シネキシン」「マーケット」などのエリアもフェスティバルの他の部分に貢献しています。

中にはもっと盛り上げるように頑張らなければならないセクションもあると認識していますけどね。プログラムの一部であることは確実です。

それらのセクションを他の会場、もしくは違う時間に行うことは考えていますか?

今は考えていません。もっとそれらに専心することと、場所が必要だとは思っています。重要さで言えばどのイベントも同じなので、より良い見どころをとりあげなければなりませんね。でもフェスティバルを分けることは解決にならないと思っています。

メキシコでの開催が予定されていましたが、何があったのですか?

OFFFは常に海外での開催を考えていて、何気なくメキシコの案があがりました。(フェスティバルのチームにはメキシカンのメンバーが何人かいます。)何があったかというと、まず僕たちはメキシコで最も大きなテレビ局の一つから真面目なオファーを受けました。僕たちの条件は経済的なリスクを最小限にするということで、スタートからそこがイベント費用を請け負うことを前提としていました。それらの条件を書いた契約書にサインし、活動を始めた訳です。僕たちには制作の自由とフェスティバルのコンテンツに対する全面的な責任がありましたが、全て順調でした。それが、突然にそこがサポートを降りると決めたのです。僕たちには成す術もなく、事実を受け入れ、アーティストやすでにチケットを購入していた人々に説明、謝罪するしかありませんでした。来年の開催を約束しながら!

メキシコのテレビ局がサポートを下りたことにはどんな理由があったのですか?

OFFFは、そのテレビ局からの何の説明もないキャンセルの文書を、イベントの9日前に受け取りました。最後の最後まで彼らと話して解決できるよう試みましたが、その決定は既に最終のもので、それ以上変えることはできなかったのです。彼らはOFFFへの影響や評判については気にしていませんでした。

すぐにテレビ局を契約違反として訴えました。チケット販売は「Ticketmaster」を通して行っていたのですが、それも事前連絡無しにキャンセルされていました。しかし、幸いにも、すでにチケットを購入していた人にお金は戻すことができました。

来年はメキシコで開催されますか?

はい!

バルセロナでの開催も続きますか?

はい!

今年のカンファレンス・ホールはものすごい混み様でしたが、収容数については心配ではありませんか?

正直に言うと、いいえ。CCCBが提供するサイズと全く同じ、現在のフェスティバルのサイズにとても心地よさを感じています。メインストリームには成りたくないですし、これ以上規模を拡大することにも興味はありません。このフェスティバルの特別な雰囲気を保つには、今の容量が最適だと信じています。

完売になるイベントも出てくることが考えられますね?

はい。今年初めて実際にそれが起こりました。来年はもしかするともっと場所を提供できるかもしれませんが、それ以上にはなりません。今年そうしたように中庭を使うことで、場所を有効に使えるようになるので、それは正しい選択でしたよね。

そうですね。それでOFFFに来た人だけではなく、誰もが参加できることになりましたね。

その通りです!中庭によって誰もに向けたオープンスペースとして、プロフェッショナルでない人達のアクセスが増えました。良いことです。特に「ショープレイス」「シネキシン」「ルーピタ」などのセクションにとっては。

プロフェッショナル、学生、一般の観客が統合することについてはどうですか?

とてもいいと思います。最終的にはみんなが同じレベルで終わり、お互いに話をしたりできて素晴らしいと思います。それにみんなが出会って、新しいプロジェクトが生まれることにも作用しています。

以前の観客が、後にスピーカーやアーティストとして招待されるということも起こっています。今年のディバインの経験については、とても誇りに思います。

インターネットや他のデジタルメディアは、日々一層成長していますが、すでに現代は、ルネサンスやモダニズムなど、歴史的瞬間と比較することができると思いますか?

現代の見解からすると、僕たちはそれが起こっていると認識し始めているのでしょうが、まだまだこれから来るものがあると僕は思います。

とても強くて沢山の可能性を秘めた新しいアートの動きがあることは疑いもない事実ですが、一般的な問題はまだあります。CDに焼いた作品が家の壁のデコレーションにもなり得ることを、まだみんなが知っているわけではないということとか。なので、OFFFのようなイベントがその土台準備の助けになるべきです。

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