エド・テンプルトン展「内戦の地図」

HAPPENINGText: Nico

エド・テンプルトン展

すぐ北にはビバリーヒルズ、東にはダウンタウン、そしてサンタモニカやベニスからもアクセスの良いカルバーシティ。映画館やレストランが立ち並ぶワシントン・ブルバード周辺では、数年後サンタモニカのような大型プロムナードの建設を予定しているという。今は観光客が足を運ぶことは少ないが、アートギャラリーやオシャレなカフェ等も立ち並び、今後の街づくりに期待ができそうだ。

エド・テンプルトン展

そんなカルバーシティにあるギャラリー、ロバーツ&ティルトンにて11月15日からエド・テンプルトンの展覧会「Map Of The Inner War」(内戦の地図)が始まった。土曜の晩ということもあり19時からスタートしたオープニングパーティは既に200人以上がギャラリー内を埋め尽くしていた。中には映画「ビューティフル・ルーザーズ」の監督アーロン・ローズや、プロスケータのサルマン・アガーも会場に駆けつけていた。

エド・テンプルトン展

彼自身もプロスケータとしてアメリカのライダーであると共に、同社のアートディレクターも務めている。また、1993年には自身のスケートボード・カンパニー「TOY MACHINE」を設立し、1995年マイク・ミルズによるドキュメンタリー短編映画「デフォーマー」にて大々的に彼のライフ・ワークが紹介がされた。映画「ビューティフル・ルーザーズ」にも出演している米西海岸では既に大御所とも言える気鋭アーティストである。

エド・テンプルトン展

ギャラリー内に入るとその作品の多さにまず目を奪われた。写真のコラージュやペイント、ドローイングに彫刻と、数百点にも及ぶ新作が壁一面に飾られている。

エド・テンプルトン展

身近に存在する人々の描写や、妻をモチーフに自身の実生活を赤裸々に表現しているもの、時には彼自身が作品の主題となり、生々しいエロティシズムやスケート傷を含むバイオレンス感たっぷりの作品は独特とも言える悶々とした空気を漂わせているが、その全ての作品の完成度、そして何より徹底した世界感の統一が不思議にもポジティブで突き抜けたイメージを醸し出していた。

エド・テンプルトン展「Map Of The Inner War」
会期:2008年11月15日~12月13日 
会場:Roberts & Tilton
住所:5801 Washington Boulevard Culver City, CA 90232
TEL:323.549.0223
https://www.robertsandtilton.com

Text: Nico
Photos: Nico

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