第22回 デザイン・フェスタ
HAPPENINGText: Yuhei Kikuchi
今回より始められた新企画の照明を落としたエリアでは、光を主なモチーフとする様々な作品が見られた。また、広くとられたDJ&VJスペースもあった。
とりわけ興味をそそられたのはこちらのブース。人間の顔の起伏をもった真っ白な面の上に、PCから出力した映像をプロジェクタで映し出している。面は三個並んでおり、そのそれぞれが独立して、ときには文字が、ときには現実ではありえないような歪んだ表情が映し出されたりしていた。なるほどこんなやり方もあったのか、と感心した。
次に、照明を落としたエリア内に併設されていた映像スペースである。これはオーストラリアから来たグループのザ・ガイコクジン・エクスペリメンタ。スクリーンには、抽象的な白い線画の映像が映し出され、その前では赤い布をまとった女性が微動をしている。そして、その女性は観客に向かって、『What’s your name?』『What’s your favorite Japanese culture?』『Do you speak Japanese?』と次々に問いを投げかける。日本語を話しているのか?とも解される問いに、考え込まされる一瞬があった。ニューメディアパフォーマンスと称し、実験的な作品である。
最後に、会場に入ってすぐの場所に設けられていたショースペース。アーティストたちが渾身の力を込めて作品を披露するこの場。デザイン・フェスタを最も満喫できる場所の一つである。
台湾から来ていた、ザ・アイボール・ラブズ・ザ・グローブというパフォーマンス。その名の通り、まず、最初に目玉を模した被り物をした人が出てきた。彼は独特な動きでスペース内を歩き回る。一通り済んだら、入れ違いに一人、また一人と登場人物が出てきて、スペース内を舞う。そして最後は全員が一挙に集まり、感動的な音楽と共に数回の決めポーズ。その瞬間、場内を駆け巡るカメラのフラッシュの数が観客の興奮のほどを表していた。
僕にとってはこれが2回目のデザイン・フェスタであった。2回目ということで、点ではなく、線で全体を眺めることができたように思える。
第22回 デザイン・フェスタ
会期:2005年11月26日(土)・27日(日)
時間:11:00〜19:00
会場:東京ビッグサイト
住所:東京都江東区有明3-11−1
TEL:03-5530-1111
入場料:当日券1000円(1日)、1800円(両日)※小学生以下無料
https://www.designfesta.com
Text: Yuhei Kikuchi
Photos: Yuhei Kikuchi