第28回 デザイン・フェスタ
去る11月8日、9日の2日間、東京ビッグサイトにて第28回デザイン・フェスタが開催された。SHIFTでは何度も取り上げられている、お馴染みこのデザイン・フェスタ。今回は、読者の皆さんに僕なりのデザイン・フェスタの楽しみ方をお伝えしようと思う。
デザイン・フェスタの多くのブースでは、作品を見るだけでなく、その場で買うこともできる。アクセサリーに始まり、洋服、ポスター、工芸品、おもちゃ、家具、洋服、更には料理道具まで買えるブースもあり、そのアイテムは無限大。来場者とアーティストの距離が非常に近いので、アーティストの生の声を聞くこともできる。作品のエピソード、ポイント、使い方などコミュニケーションをとりながら、自分の気に入った作品をお持ち帰りすることをおすすめする。ぜひお財布の中身を確認してから入場しよう。大切な人へ世界で一つしかないオリジナルのグッズをプレゼントするなんて、粋なことも。
libxdil / 丁寧に作られた可愛らしさの動物たちは里親募集中
色々なブースを回っていると、一際目を引くブースに遭遇することがある。丁寧に描かれたイラスト、精巧な工芸品や面白い動きをするインスタレーション、注意深く見てみるとあなたの目にかなう作品がきっと見つかるはず。「面白そう!」と思ったら、まずそのブースの作品をじっくり眺めてみよう。そして、勇気を出してアーティストに声をかけてみよう。だいたいは、親切に応じてくれる。話題は作品のことでも自己紹介でも質問でも、何でもOK。デザイン・フェスタがもっと楽しくなるはず。
Nora & Vera / 個性的な靴下で、足下からのおしゃれを提案
日本の夏祭りでは、りんご飴、金魚すくい、イカ焼きと、沢山屋台が軒を連ねる。毎年のように遊びにいくお祭りだったりすると、「去年のお兄ちゃんだ!」みたいに、ちょっと懐かしい気分になってしまうこともある。このデザイン・フェスタでも毎回出展を行っているアーティストたち、言わば常連さんが多く、「今回もあの人いるかな?」と、常連さんを探すのも一つの楽しみ方だ。ブースと来客者の距離が近く、作品を通してアーティストと触れ合うことができるのも、デザイン・フェスタの魅力の一つだろう。
JUJU / フェルトを使った手作りのバッグ小物
デザイン・フェスタを客観的に見てみるのも面白い。回を追うごとに変化するデザイン・フェスタ。その移り変わりを分析してみよう。まずは、量的な進化。今回はアーティスト数7,000人以上と過去最高を記録し、回を重ねるごとに規模を拡大している。日本のポップカルチャーを扱うアーティストが多くを占めているが、近年では、アジア人、ヨーロッパ人、アメリカ人など外国人のブースも数多く見られるようになった。言葉が通じなくてもノープロブレム。作品を通して彼らの表現が伝わってくるのだ。
そして、質的な変化。昨年、一昨年と比べて見ると、ゲームやCG、プログラミングなどコンピュータを使用したインタラクティブな作品が増えているように感じた。その反面、細かい手作業で作られた布の作品、アクセサリーなどを扱うブースがやや少なくなっている印象を受けた。
こんな風にちょっと引いた視点で見てみると、アートやデザインに関連したトレンドの変化を目の当たりにできるデザイン・フェスタは、ある意味で時代の最先端を映し出しているフェスティバルなのかもしれない。
Clown Crown / 体でジブリの映画の名シーンを再現する黒い集団
ライブペインティング、アクセサリー、雑貨、ライブ、コスプレ、似顔絵コーナー、グラフィック、アニメ、ゲーム、靴、Tシャツ、イラスト、語り、フィギュア、家電、リメイク、人形、パロディ、音楽、プログラミング、食品、洋服、料理道具、パーティー、占い、陶磁器、ニューハーフ、ロボット、写真、家具、カレンダー、照明、ネイルアート、演劇、バッグ、おもちゃ、読み聞かせ、ヘアアレンジ、工芸品、めがね、料理道具…
何でもありのデザイン・フェスタ。次回は、2009年5月16日、17日。ぜひ自分なりの方法でお楽しみあれ。
第28回 デザイン・フェスタ
日時:2008年11月8日(土)〜9日(日)11:00〜19:00
会場:東京ビッグサイト西ホール&屋外
住所:東京都江東区有明3-11-1
TEL:デザイン・フェスタ・オフィス(03-3479-1433)
info@designfesta.com
https://www.designfesta.com
Text: Tatsuhiko Akutsu
Photos: Tatsuhiko Akutsu