オールライツリザーブド
中秋の名月が近づく9月16日、恵比寿ガーデンホールで、「オールライツリザーブド」のお披露目パーティが行われた。
オールライツリザーブドは、美研インターナショナルを中心に、ノトス、トリコ、MATT、ガス・アズ・インターフェイスなどが実行委員会となって、来年6月に開催する国際デザインビジネスショーだ。
会場入り口にはランボルギーニが登場し、パーティテーブルには各国大使館ご提供の珍しいお酒/お料理がズラリ。ドレスアップした来賓にマスコミも多数つめかけ、会場は華やかな雰囲気に包まれる。
お披露目ということでディレクターの佐伯仁(トリコ)や、李明喜(MATT)などコアメンバーが次々と登壇していく。何となくこの面々でよぎるのは、もはや伝説なデザインイベント「ハプニング」か、あるいは、せんだいメディアテークの「ムーヴメント」展か。
あれから数年、デザイナーブロックはデザインタイドへとカタチを変え、東京のデザインシーンが大きな過渡期にある今、「本物のデザインのみが真の価値を創造する」と謳うオールライツリザーブドは、いったい何を仕掛けてくるのだろう?耳を傾けてみた。
柱となるのは、「デザインの価値が健全なビジネスとなること」、そして「デザインで社会に貢献すること」だ。企業にビジネスの場を、クリエーターに作品発表の場を、全ての人々に本物のデザインとの出会いを提供するビジネス寄りなミーティングは、コンサバティブな「デザイン業界」をオープンに広げて、創造的なビジネスの開拓を目指す。
また、デザインによる社会貢献では、「オールライツリザーブド基金」という社会問題をクリエイティブなやり方で解決しようとする活動を支援するファンデーションが設立される。また、デザインに積極的に取り組む企業とデザインを施策に掲げる自治体とのマッチングを促し、公的支援制度の活用や商品開発、販路拡大を積極的にサポートまでしてくれる。
こんなことを聞いて普通に思ったのは、ここまで開かれたデザインのインフラづくりが、かつて日本にあっただろうか、ということ。オールライツリザーブドの使命は、来るべきクリエイティブな未来に確実に向けられていて、思わずカラダが震えた。
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