アンドレア・ヴィリアニ「ノー・マニフェスト」展

HAPPENINGText: Francesco Tenaglia

プレミオ・ボナルディ・パイオニア賞は、30代以下の若いキュレーターに贈られる賞である。2回目となる今年は、アンドレア・ヴィリアニの「ノー・マニフェスト」に決定した。若いイタリア人キュレーターが見事にまとめたこの魅力的な展覧会は、6つの作品からとりとめもない迫力を引きだし、瞬時に没頭してしまう楽しさのセンスを訪れる者に提供した。


Mike Nelson, A Staging of the reconstruction of the Southern Palace of Babylon, 2005

マイク・ネルソンの素晴らしい「バビロン南部の宮殿の再構築計画」(2005)は、宮殿を現代化し、再構築する環境を紹介した。少し上を見上げると、リチャード・ライトによるモノクロの金箔が、ギャラリーの窓の周りに構成されているのが見える。


Richard Wright, Untitled, 2003

2つ目の部屋には、美しく平静を失わせるような、ステファノ・アリエンティの90年代初期の7つの作品があった。このイタリアのアーティストは、消しゴムを使い、自然主義的な写真集から全てのキャプションやテキストを消し、画像の周りに空白のスペースを残している。


Stefano Arienti, Untitled, 1991

また、アンリ・サラの「ブラインドフォールド」(2002)は、太陽の光線の微妙な変動をビデオ・ポートレートにしたものである。アルバニアの首都のストリートで2つのプラカードに反射させていて、サンパウロで録音された、エレクトロニックサウンドを交えて音声によるコメントが入れてある。


Anri Sala, Blindfold, 2002

マッシモ・グリマルディは一般に無料で公開されている、ある小さな本に注目した。それは、彼が集めた13のEメールインタビューに、イタリアのアートシステムのポイントを加えたもので、断言的にこのプロダクションの分野への関わりの本質を問いただしたものである。ギャラリーハウスから離れた暗いエリアには、フロリアン・プムフースルの2003年の作品で、タイトルのないビデオポートレートがあった。キュクロープスが一人で住んでいたという不明瞭な宮殿での、日常生活の言動を表したものだ。

アンドレア・ヴィリアニは、カステロ・ディ・リヴォリ現代美術館でも「ノー・マニフェスト」のキュレーションを行っており、フィクションとドキュメンテーションの関係、その地方の言葉と個人の関係、現代人の観点からの退去など、また違ったコンセプトで提案をしている。

NO MANIFESTO
会期:2005年5月15日(日)〜7月3日(日)
会場:GAMeC
住所:53 Via S.Tommaso, 24121 Bergamo, Italy
TEL:+39 (0)35 27 0272
https://www.gamec.it

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Yurie Hatano
Photos: Matteo Bonaldi, Courtesy of GAMeC

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