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稲葉英樹「NEWLINE」展

HAPPENINGText: Naoko Fukushi

自由な発想と感覚で生み出す、美しいグラフィックデザインや、動的なエディトリアルデザイン、グラフィック的なフォント。先月のシフトのカバーデザインも手掛けてくれたグラフィックデザイナー・稲葉英樹。シフトと稲葉氏の深厚は厚く、シフトのあちこちで彼のフォントは使われており、「NEWLINE」という両者のコラボレーション・プロジェクトでは、広告のビジュアルやプロダクトなど、柔軟に幅広く手掛けている。

そんなNEWLINEがこれまで手掛けてきたプロジェクトを一挙に集めて展示する展覧会が、6月に札幌ソーソーカフェで開かれた。展覧会初日となる6月18日の金曜日には、稲葉氏本人が来札し、アートパフォーマンスを繰り広げた。

会場の演出で、まず驚いたのが、真っ赤な照明。なぜ赤か? 稲葉氏は北海道から発信するE2Oプロジェクトの第一弾として、トマトジュースのパッケージデザインを手掛けているのだが、それが関係しているのかもしれない。会場ではそのトマトジュースを使ったカクテル、レッドアイも特別にメニューに登場していた。

会場となったソーソーカフェは道路に面してガラス窓があるのだが、そこに白い半透明のスクリーンが掛けられ、これもまた赤の「バースト・ヘルベチカ」というタイポグラフィの映像が流されていた。窓ガラスに掛けられているので、外を歩く通行人も映像を見る事ができるのだが、赤いタイポグラフィとゆらゆら揺れる赤い映像が、人の覗きたい好奇心を掻き立てた。

そんな赤い空間の中、稲葉氏がマックとプリンタという作業空間をカフェのまんなかに構え、幅4メートル高さ2.5メートルの真っ白な壁にライブで作品をのせていく。ソ−ソカフェでのオープニングイベントでは、アーティストが自らその場で何かを作りあげるというパフォーマンスを数多く見せてくれているが、今回のようなスタイルはかなり特異と言えるのではないだろうか。

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