A+M

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

以上のことは、自身の作品に影響を及ぼしていますか?

A’:もちろん。生活自体が私の作品にとっては影響力のあるものですし、友達やその他の人々とは、いろいろな想いを共有しています。

M:影響力は大きいですね。南アメリカやベネズエラが現在置かれている状況、そういった国の温暖な気候と色は、実際のところアートシーンより影響力は強いです。(唯一私が影響を受けるのは、ルーフェルト・ゲルト、ヘスス・ラファエル・ソト、カルロス・クルズ=ディエズといった60年代に活躍したベネズエラ人達の存在です)なぜならそれは、全てが「とにかくやってみること」だから。「A’+M」としては、デザインやアートシーンとはかなり懸け離れた、影響力のあるものが好きです。懸け離れたほうが良いのです。

作品にはどのような気持ちを込め制作していますか?

A’+M:私達の作品を、「バロックのミニマリズム」と定義した友達がいます(笑)。きっと彼は、こういった矛盾したコンセプトが好きなんでしょう。おそらく、フェミニンな印象があるので、私達の作品が複雑で、不思議に感じられるのではないのかなと思います。実際にはよくわかりません。でも、唯一確信できているのは、私達が作品を色々なレベルで制作している、ということ。だからこそ、深く感じる人もいるし、全体をざっと眺める人もいるのではないでしょうか。

アーティストとして、作品制作の上で掲げている目標や哲学はありますか?

A’+M:詳しく研究するために時間を費やすこと。とにかく見てみること。今でも自分らしい表現方法を探しています。でも、そうすることを楽しんでいますし、そうすることが好きなのです。

先日行われた「シフト・カレンダー・コンペティション」で選ばれた作品は、その他11名のアーティストの作品と共に、今月からソ-ソ-カフェで開催される展覧会で展示されます。こういったコンペティションについては、どう思っていますか?

A’+M:他のアーティストの作品を見たり、自分の作品を見てもらうためには、コンペは重要な手段です。

日付けを伝えるものとしてのカレンダーという存在がいいと思いましたし(それだけではなく、ギャラリー的な要素もありますよね)、少なくとも1ケ月間は誰かの目に触れる、というのもいいと思いました。いろいろな作品を見ることができるということだけではなく、世界中から参加者が集まる、そして南アメリカもその一部になれる、というところがいいな、と思いました。

今回制作していただいたカバーデザインについて教えて下さい。何をイメージして作りましたか?

A’+M:日本、ベネズエラ、ブラジル、東京、カラカス、そしてサンパウロ。その他にも、時差、それぞれの都市に住む住人を結ぶ様々なコード。距離。緯度と経度。そういったものが全てミックスされ、更にそれらの良い点も活かしました。また、世界を統計的に理解するのが好きなので、それも使い、クォリティやフォームのコンスタントな変化も取り入れました。

最後に読者にメッセージをお願いします。

M:調理してみること、そしてそれを続けること。

A’:読んでくれてありがとう。

Text: Sachiko Kurashina

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