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アレッサンドロ・メンディーニ

PEOPLEText: Stefano Casciani

アレッシィの「ピアッザ」は、ポストモダニズムを代表する作品となった。ヴェネツィア建築ビエンナーレで披露されたシティ・タワーのプロジェクトでは、現代の建築家によって新しい風景が描かれた。このプロジェクトについて、80年代のポストモダンブームの火付け役であり、雑誌「ドムス」の編集長も務めた建築家理論家のアレッサンドロ・メンディーニにお話を伺った。


Tom Kovac Architecture

今回の、このタイポロジカルなプロダクトリサーチに参加した建築家の選出基準は何だったのですか?

彼らが現代デザインについて議論する方向は、基本的なものに向けられているということを、私自身は確信しています。彼らの作品は大胆で、建築を通じて世界に関する解釈を明確に伝えています。招待したアーティストから出されたアイディアを全てオブジェとして形にできなかったのは残念です。私達がとても興味を持ったのは、一番幅広く、自由な可能性を秘めたセンスの調査でした。家庭にある、ある特定の種類のオブジェの意味を追求したのです。新しくて種々の個性がどの程度、今日、製品に求められているニーズとその製品に対する表現的な需要を満たしているかを知りたかったのです。


Left: Kazuyo Sejima & Ryue Nishizawa/SANAA, Right: Morphosis

それではこれは、商業的な作業と捉えてもいいのでしょうか?あるいはもっと、アレッシィがイメージする新たな形作り、と考えた方がいいのでしょうか?

これは歴史的な慣例だと思います。「ピアッザ」は1980年代にスタートしたのですが、そこではアレッシィと建築家、アルド・ロッシとマイケル・グレイヴスのコレボレーションが行われました。そこで制作された作品は、世界的にベストセラーになったものです。

シティ・タワーの制作においては、2つの目標を設定しました。その一方で「家庭向きの」オブジェにおける、現代的なアイディアはどこで扱われているのかを追求したいとも思っており、またそのような「家庭向きの」オブジェには、将来性があるのか否かにも興味を持ちました。そういったこともあり、実践的あるいは商業的な要素をそれ程多く取り入れなくても、色々なデザイナーが持つビジョンを研究、比較する価値は充分にあるのではないかと思いました。また、このリサーチによって多くの利点がアレッシィにもたらされると思います。アレッシィが持つデザインの世界が広がるだけではなく、スケール自体は小さくとも、小さいからこそ素晴らしく挑戦的なこの種のオブジェについて経験がない7人のアーティストにとっても、新たな「デザイン」の才能が開花する可能性があると思います。


Left: David Chipperfield Architects, Right: Massimiliano Fuksas, Doriana Mandrelli

マッシミリアーノ・フクサスもこのプロジェクトには参加していますね。

私達が興味のある、文化的で集合的なエリアにおいて彼は、国際的な注目を得る価値があるイタリア建築のある種の展開を具体化できるだけではなく、ある特定の文化圏の中でも、その存在は別なものとして確立しています。だからこそ、今までにはない違った方向からのリサーチを彼に行ってもらうのは、面白いのではないかと思ったのです。

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