ザハ・ハディド展

HAPPENINGText: Christina Merl

ザハ・ハディドというバグダッド生まれの建築家については、様々な逸話がある。気性が荒いとか、頑固だとか、周りをイライラさせがちな人だとか。彼女と会った10分後には、もう彼女とは一緒に仕事をしたくないと思わず決意してしまう同業者もいるらしい。

私は建築家ではないけれど、もしそうだったら、私はきっと彼らのように彼女のことを理解しないだろう。なぜなら、私はハディドが天才肌だということを受け入れているからだ。

ハディドは、女性としては世界で初めてその名が広く知れ渡った建築家。そんな彼女だって、はじめから頑固で、タフで、高飛車だったわけではない。彼女が世界中にビルを立てる程、影響力のある人物になること自体、当初は誰も想像だにしなかったことなのだ。彼女が初めて国際的に注目を集めたのは、1983年のこと。香港で開催された「ピーク」というコンペで1位に輝いたのだ。その後、 1993年にはヴァイトラ・ファイアー・ステーションを完成。これは、彼女にとっては初の大規模プロジェクトだ。

実験建築の分野においては、この20年間ハディッドは、根強い革新派であり、妥協のない方法で従来の建築形態を打ち破った先見の明のある人物だ。さらに、現在の建築への彼女の貢献と影響力は、画期的な一連の建物から推測することができる。

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