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「インサイド/アウトサイド」反逆者たちの七つの証言

THINGSText: Wakana Kawahito

『ストリートは誰もがアクセスできる媒体で、官僚的な価値観に縛られず全ての人に開かれているという点で平等だ』。

権力と巨額資金が世界規模で行き来するアート界に対抗するため、アーティストはグラフィティーを始めた。街中に溢れる世界企業の巨大看板広告、消費社会の加速を扇情するTVコマーシャル。貧富の差が益々広がるばかりの社会に反抗したバスキアやキース・へリングなど、80年代NYストリートカルチャーから発生したグラフィティーは、今、さらに発展を見せている。

インサイド/アウトサイド

インサイド/アウトサイド」は、現代の世界で最もホットなグラフィティーアーティストたちの活動を記録したドキュメンタリー映画。今回、4月5日から11日にかけてアップリンク・ファクトリーにて「インサイド/アウトサイド」〜REBELWEEK/反逆者たちの七つの証言〜が、7夜連続で毎回多彩なゲストスピーカーを向かえて開催された。

私が参加したのは、4月8日の 「態度としてのアート/武闘派アーティストのグラフィティ観」、映画上映の後アーティストの天明屋尚とキュレーターの窪田研二によるトークショーが行われた。

インサイド/アウトサイド

グラフィティーは悪なのか? それとも社会の悲痛な叫びを現す芸術なのか? 
映画の中で、「Visual Attack」と称して、ビルボードの広告モデルを真っ赤なスプレーで「殺す」パリのゼウス。『広告のもたらす影響力を利用して、こちらは最小限の力で最大の攻撃をするのさ。』と彼は語る。

インサイド/アウトサイド

都会の山岳隊としてビルの頂上に自らの証「タグ」を残すことを生きがいにするサンパウロのピグメウス。クリンクというオリジナルの蛍光インクを開発して、巧みに街を乗っ取っていくKR。自分で作ったポスターをストリートに無断で貼りつづけているニューヨークの女性アーティスト、スウーンは作品が認められ、今ではMoMAブルックリン・ミュージアムでも展示されている。『多くの人に見てもらえるのは嬉しいけれども、だんだん巨大なアートマーケットに飲み込まれていくようで複雑な気分』。

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