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マイローナ

PEOPLEText: Andreas Pihlstrom, Nanok Bie

マイローナ(MYRORNA)は、 スウェーデン救世軍(貧困に苦しむ人々を救済するために活動しているキリスト教の組織)のセカンドハンドショップ。スウェーデン語で、「蟻」という名前を持つこのショップは近年そのビジネスの規模を拡大している。現在スウェーデン国内に古着受け取りのための1200の私書箱と27の支店を持ち、古着の他にも家具やテーブルウェアをはじめとするインテリア商品や古本なども扱っている。その収益はスウェーデン救世軍の活動資金として、人々の救済に役立てられている。

目下、この福祉事業は無数に存在する他機関と特にこれといった違いは無い。しかし、マイローナのマーケット部門マネージャーのラス・ベイジャーは、より若い世代との新しいコミュニケーションを提唱し、スウェーデンの広告代理店ロウ・リンタスと提携して新しいマーケティング戦略を打ち出した。このコンセプトは、スタイリングやアートワークをいかにして有益なマーケティングの手段として利用するかという点において良いお手本になっている。

『1998年、ストックホルムにおける自分達の周りには黒と灰色しか目に入るものは無かった。』とロウ・リンタスのマーティンは言う。『私たちは、そんなつまらない洋服に反発し、“より個性的” という考え方を提案したのです。』『そのアイディアは、私たちのコンセプトにぴったりと合致しました。』とベイジャーは説明している。『私たちは、中古で、バラエティに富んだ商品をもってスウェーデンの若くてトレンドに敏感な世代をターゲットにする必要があったのです。』

では、外見にお金をかける事を好む若い世代を、どのようにして惹き付けたのであろうか。答えは簡単である。若くて才能のあるデザイナー、カメラマン、スタイリストを使い、古着を組み合わせて作り出したデザインを発表するファッションショーを開催するというのが彼等の取った方法だ。

『私たちのコンセプトの鍵である“より個性的”という言葉を低予算で実現させるという目的で、ジャーナリストやスタイリスト、写真家やデザイナーといった人達を2次的なターゲットに設定しました。』

マイローナは、この考えを成功させるため、この3年間に エルンスト・ビルグレン、キア・ナデルミエー、ロヴィサ バーフィット、ヨハン・シャリンら数々の有名アーティストやデザイナーと契約を結び、モデルの肌の露出を高めセクシーな印象を与えるやや挑発的なフライヤーも作った。

『ショーを“オートクチュール”と名付け、アーティストに一人1点ずつ面白い作品を作ってもらいました。』とベイジャーは続ける。『こうして私たちのショップで手に入る商品をどのように着るかということを見せたのです。誰でもここへ来てここでしか手に入らない洋服で自分だけの着こなしを創り出す事ができるのです。古着は普通の店やデザイナークローズの大きなのチェーンでは手に入らないのですから。そしてもちろん、新しい洋服と組み合わせて楽しむ事もできますしね。』

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