プロジェクト40

HAPPENINGText: Matt Owens

MITでジョン前田の生徒でもあった イマジナリー・フォーセズピーター・チョウは、MITの学生達と共にサウンドと動きを使ったタイポグラフィックに関するプレゼンテーションを発表した。ピーターは、最近加入したイマジナリー・フォーセズ・チームのメンバーの一人として、インタラクティブな領域での彼のノウハウと、イマジナリー・フォーセズの視覚的にリッチなブロードキャスト能力のギャップを埋める努力をしている。来年には、ブロードキャスト/インタラクティブ両方を扱うエージェンシーとして全く新しいイマジナリー・フォーセズを目にすることになるだろう。

アンチロムで、現在は トマト・インタラクティブに所属するトム・ループは、彼のCD-ROM作品から現在手がけているリーバイスなどのクライアントワークまで、彼自身の進化の過程を発表した。チョウ、ループ両者とも、シンプルなフォームとラインがデザインソリューションの「審美的」で「インタラクティブ」なものを提供するインタラクティブな経験が、プロジェクトの潜在的なテーマとなっているのを目にすることができた。ループの作品には、ツールとして主にディレクターが使われ、ディレクター・LINGOのスクリプト言語とサウンド、動きを一つにする能力が、シンプルだがインタラクティブに洗練されたものを作り出すことができるのだということを教えてくれた。

イシ・ラ・リュンヌのブノア・プラットルのプレゼンテーションでは、サウンドと3Dによるキャラクター描写が、プロジェクトの個性と物語性を生み出すためにいかに使われるべきかを発表。ブノアの3Dキャラクターはユーモラスで、インタラクティブにストーリーを語る上でなくてはならないものになっている。全体的に見れば、プラットル、ループ、チョウ、クラムのプレゼンテーションでは、特にインタラクティブデザインの機能性に焦点を置いたものになっていた。C++ や LINGO は、一般的な「ウェブデザイナー」があまり持っていない専門技術を必要とする。結果的には、参加者とスピーカー両者とも、インタラクティブな仕事の論理というものについてより深く考えさせられるプレゼンテーションとなった。

2日目には、対話とディスカッションが本格的に行われた。HIVの蔓延と、現在それに対して組織や企業、政府は何をしているのかという問題に関してリサーチし、理解しようと悩んでいたチームもあった。現在、HIV患者の70%はアフリカにいる一方で、患者に対する支援や基金の大部分は西洋諸国からによるもので、そのほとんどは、西洋の人々に向けられたものだ。現在スウェーデンには、およそ5,000人のHIV/AIDS関連患者がいるが、その大多数は、80年代に移住によって減ったという。また、このカンファレンスが、プロジェクトを正当と認めさせるためにHIVやAIDSをスケープゴートにして得意気にそういった問題を扱う「慈善事業」としてみなされる恐れがあるとコメントする参加者もいた。

このカンファレンスの良い面は、様々なカンパニー、様々な分野から集められた人達が一緒に何かを作り上げる様を目にすることができたという点だ。カンパニーのオーナーからデザイナー、インフォメーション・アーキテクトまで、皆が共通の場所で、自由でオープンな方法でコラボレートすることができた。プロジェクト40のコーディネーターは、プロジェクトのブレインストーミングや創作過程に直接参加することはなかったのだが、彼等は常に近くにいて、プロジェクトサイトに掲載する写真を撮ったり、質問したりしてきた。実に面白い経験だった。ある時点では、プロジェクトサイトは、プロジェクト40の「オフィシャル」な様子をオンラインで見ることのできる場となっていたが、同時にK10K.NETでは、参加者の不満など、真実の姿を映し出していた。

翌日の明け方まで「何をすべきか」というディスカッションを繰り返した後、次のフィードバックセッションに出席するため、朝8時半のモーニングコールで起こされた。

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