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第4回 香港社会運動映画祭

HAPPENINGText: Becky Ip

旺角(モンコック)にある得体の知れないビルの8階に、ビデオ編集機器や、2インチのバインダー、そして無数のDVDですし詰めにされている部屋がある。この部屋は、ビデオ・パワー(香港映像作家協会)の本拠地、第4回香港社会運動映画祭の中心となっている。

およそ10年前にビデオ・パワーは始まり、社会的に従事した芸術協会として定着した。他のグループとコラボレーションでドキュメンタリーを製作したり、個人のビデオプロジェクトを助けたり、今まで開催されなかった場所でビデオ生産とメディアリテラシーについてのワークショップを地域や組織、学校などに開き、上映会をするなどしてきた。

香港社会運動映画祭は初めて実現した2003年からビデオ・パワーの協力による8A社会運動情報センターによって組織化されてきた。しかし、今年は香港学生同盟からの8A社会運動情報センターへの寄付金が減らされたので、ビデオ・パワーが共催者となりこの映画祭を大きな映画祭にすることにした。

『このような映画祭を香港で続けるのはとても重要なのです』とビデオ・パワーのディレクター、リー・ワイ・イーは言う。しかし、芸術開発審議会からされる「上質の映画祭」という不適当な要求や予算の削減に直面しこのプロジェクトの実現が難しくなっているのも事実だ。こうした妨げにも関わらず、ビデオ・パワーは資金集めや上映会やワークショップの収入、そして 多くの映画制作者、協力者、ボランティアの寛大さなどで映画祭全体の資金をやりくりしている。映画の上映権は中国語の字幕制作を交換条件に無料にした。何人かの映画制作者は香港への旅行資金さえも集めてきた。

ビデオ・パワーと8Aは、組織体制の下で彼らの位置の規制と戦ってきた。今年の映画祭のテーマは「みんなの自治:黙念運動を動かす映画」 。『資本主義のグローバル化の影の下で生きたくないなら、自治の可能性は何になるんだろう?』とリーは主張する。そして、世界中から40以上の作品が集まり、いくつかの異なった反応が4部作で示された。

「自治社会」は全く新しいライフスタイルを築き上げるための異なった地域の努力についてのシリーズ。香港、カンボジア、マレーシア、およびフィリピンなどからの作品が上映される。

「十字架の自由人」は、自身と自身の資質に頼る個人の抵抗を自殺した韓国人の労働活動家チョン・デ・やイエス・キリストを通し目を向けた。「自治のアートスペース」は自己と外界の間の接続ポイントとしての、また民主主義のための出発点としての芸術に目を向けた。北アメリカの文化の交差から創造的な香港の世界貿易機関閣僚会議のデモンストレーションまで、このシリーズは創造的な生産の革命の可能性を思い出させてくれる。

また、創造的な精神で作られたシリーズ「モバイル・アートの襲撃」は韓国を中心に活動するビデオ・パワーに似た組織、メディア・カルチャー・アクションとオーストラリア、シドニーで活動する組織、インフォメーション・アンド・カルチャー・エクスチェンジ(ICE)によって作られた。

フェスティバル中には地域団体の歴史的なツアーが行われるだろうし、同時に「ラテンアメリカの解放の神学と社会運動」、「救済と革命の矛盾:パゾリーニの情熱」と題された演説が行われる。 ビデオ・パワーの「映画祭を可能な限りアクセスしやすくする」といった公約のもと、フェスは全て無料である。『芸術は金持ちに制限されるようになったけれど、基本的な人権です。』と、リーは続ける。『ビデオ・パワーは芸術を取り戻すために人々を助け、そして芸術を人々に戻したい』

The 4th Hong Kong Social Movement Film Festival
会期:2006年10月2日(月)〜12月3日(日)
TEL:+852 2787 5656
https://www.smrc8a.org/smff/

Text: Becky Ip
Translation: Naoko Wowsugi

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