小谷元彦展「ファントム・リム」

HAPPENINGText: Atsuko Kobayashi

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1972年生まれの新鋭アーティスト、小谷元彦の初個展「Phantom-Limb」(ファントム・リム)が恵比寿のP-HOUSEギャラリーで行なわれる。小谷元彦はデビューしたばかりにも関らず、今年夏のロンドンでのグループ展や、レントゲンクンストラウムでの展示において他を圧倒する作品で一気に話題になりつつあるアーティストである。

「Phantom-Limb」とは、幻影肢のこと。それは心理学用語であり、それまで健全であった肉体から腕、足などが失われた後も、本人はそれが今だに存在しているかのような感覚に陥る(無いはずの腕が痛んだり、足が痒くなったりする幻の感覚)ことである。

今展のタイトルにもなっている、少女の等身大のポートレイト・シリーズ「Phantom-Limb」をはじめ、二千本余りの鮫の歯、キツネ、狼、白鳥の剥製を使った作品など、ダークで悪魔的であると同時に、透明で美しい印象を受ける作品の数々が展示される。存在そのものの危うさ、儚さを感じさせる新鋭アーティストの展覧会だ。

小谷元彦展「Phantom-Limb」
スーパーバイザー:椹木野衣
ディレクター:山本ゆうこ(レントゲンクンストラウム)
会期:1997年10月24日〜11月23日
時間:14:30〜20:00(月曜休廊)
会場:P-HOUSE
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-29-9
TEL:03-5458-3359
http://www.phantom-limb.com

Text: Atsuko Kobayashi

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