パイド・パイパー

PEOPLEText: Chibashi

そこが二人の接点、ということですか。今までは別に走ってきて、その1年で急速に接近した。

亀石(剣一郎):そうですね。違う生き方をしてきた中でのお互いの結合だったわけです。

亀石(将也):僕の友達にもそういうコたちがいて、みんなで一緒にやろうって言って盛り上がって、それからはもう早かったですね!内装が好きな人は社長(剣一郎)と一緒に内装をやり、僕は洋服好きだから買い付けで世界一周に行って帰ってきた。もう一人の友達は色々まわってものを集めてきた。建築(内装)やっている人や洋服作っている友達で、5〜6人ぐらいで始めて、徐々に店が盛り上がってきたので、みんなはそれぞれのやりたいことをするために独立していったんです。

みんなが独立していくのと同時に、僕は洋服づくりを進めていった。最初は洋服のセレクトやコーディネイトが好きで、洋服づくりに入って、それから洋服プラス・アート的な要素っていうのが絶対的に絡んでくるじゃないですか?建築にしても、全てにおいて。それで僕はポパイから勉強していって僕の好きな視点の中での物の見方を捉えていった。そんな時に、『テン』という雑誌から取材が来たんですね。その雑誌でやってる写真作品の中にすごく気に入ったものがあって、それが吉原君だった。それで吉原君を紹介してもらってとても通ずるものがあったので、一緒にやろうということで吉原君も入ってきた。

次にインスタレーション的な要素に凄い興味があって、でも僕の中では完璧に理解はしていなかった。その時に代官山に「P-HOUSE」というギャラリーとカフェが合体しているところで、僕らがインスタレーション的な洋服の展示会をしてみたいなという事で訪れた時に、レオ君がいまして、それで知り合って、すごい話が合うことがわかった。それでレオ君も洋服の方に凄い興味があったんで、じゃ、一緒にものを作っていこうかということになった。それで、パラノイア・ファクトリーの一員が徐々に確立していったんです。

それから洋服だけじゃなくて、『デイズド・アンド・コンフューズ』の広告とかのヴィジュアルやアート、インスタレーションとか全てを踏まえた中で表現していきたいという部分で始めていったんです。ホームページもそういった部分を徐々に出してきている。ウチらの好きなカラーでやっていこうということで、始まったんです。

ホームページにはショップの紹介がありますが、それを見ているとショップそのものが作品として考えられていると感じました。その辺りについてはいかがでしょうか?

亀石(剣一郎):パイド・パイパーを始めた時からそうなんですが、全てを作品〜内装も作品だし、いる人間もそうだし、来たときの空間、雰囲気もそうだし〜全てを触れることによって、それを一つの作品とさせられるぐらいのパワーを持って出したかったんですよね。だから置いてある洋服も僕らの中で選んできたもの、だからいいんだよ、僕らはそれをいいものだと思って選んで来てるんだよ、だから見てくれってかんじでやっていますね。

セレクトするという行為も作品になっていくということは、DJみたいなものですよね。

亀石(剣一郎):で、結局それが発展していって、世界中のものを見ていく中で、僕らの目にとまるものがだんだん無くなっていくんですよ。カッコイイものでも高ければいいのかっていうのと、持ってきて高い物を売ったらそれでいいのかっていうのともちょっと違うし、みんなそんなの買えるはずがない。じゃ、どうしたらいいんだろう?だんだんいいものが無くなってきて、そういう高いものを買えばいいのかっていうと、そういうものでもないだろう。着れなくっちゃ洋服は意味が無いよねみたいなことになってきた。

じゃあ、もしカッコイイものが俺達に分かるんだったら作っちゃえっていう発想からオリジナルが始まったんです。だったら自分たちが買えるぐらいの値段でカッコイイもの作ろうよ!もう探しに行っても安くていいものが無いから、少しづつ作っていきたいねっていうことになってきて、鬱憤からオリジナルが発生してきた。

オリジナルっていうのが、最初パイド・パイパーっていうブランドで、お店の名前でオリジナルが始まったのが2回目の買い付けに行くぐらいの時期ですね。

今3店舗ありますが、各店舗のコンセプトも違いますし、置いてる商品もブランドも違いますよね、これはやはり1店1店が作品という見方からということなんですか?

亀石(剣一郎):そうですね。ストーリーがちゃんと作ってあって、パイド・パイパーは、店の名前自体「ハメルーンの笛吹き」の題名の意味とマッチングしているんですよ。あれって、独語で「子供誘拐」だったり「子供さらい」だったり「子供レイプ」だったり、そういう意味があって、結局その中でパイド・パイパーのイメージっていうのは、「街中の子どもをここに集めちゃおうよ」っていうすごいアンダーグラウンド指向があるんですよ。
「変えちゃおうよ!」みたいな。はっきり言って社会に対して門を閉ざしている場所なんで、世の中のことは、あまり考えていないんですよ。でもとりえず「何でもいいからよくわかんないけど、ここに集まってカッコよくなろうよ。そして怪しいことやっちゃおうゼ!」みたいな。そういうイメージが強くて、子供達っていうか若者達、今の世代を担うヤツラはみんな来いよ!っていうのがある。

続いて「A NEW SHOP」は、それよりジェネレーションが高いんです。そこで、いろんなイケナイことしたり、アブナイことしたり悪いことしながら少しづつ成長していくと、社会に対して今まで関係無いって言ってきていても、色々と触れる機会が出てきて、やっぱり反社会的な動きをしている元凶になっていくわけですよ。そんな中で社会を初めて理解していきつつ、普通の人にはわからないような裏まで理解していって、それを利用して何かしてやろうよ!じゃないけど、一種「教会的」なイメージを持った場所なんです。

今の正しいと言われているドロドロした世の中って、決して僕らは正しいって思ってない。だったらこのドロドロした世の中から少しでも良い方向性に持っていこうよ!この若い力でっていう形で「A NEW SHOP」では「何か新しいものをやり始めようよ、やっていこうよ!」という意味があるわけです。

亀石(剣一郎):だから一種「教会的」な存在なんですね。パイド・パイパーは信者が集まる場所で、その信者の持つ色々な意見や創造力は、初めて「A NEW SHOP」という教会で教えを受ける。そしてそこから何かを生み出して行く。そのエナジーが最後に『シンクロナイズド・エナジー』〜 SYNERGIE(シナジー)〜っていうお店で発表される。というストーリー展開なんです。だからシナジーは結果なんです。

でもストーリーはまだ続くわけですね。レクイエムはまだまだ来ないと(笑)

亀石(剣一郎):そうです(笑)

「A NEW SHOP」はつまり「浄化」される場として位置づけられているというわけなんですね。

亀石(剣一郎):そうです。浄化して、そしてキレイに社会を踏まえて…。だから、「A NEW SHOP」は社会に対して門を開いているわけなんですよ。社会に対してもキレイに対応はできるんだけど、もっともっと深いんだよ。物事のもっともっと深いところで僕らは創造している、みたいな。そして社会に対してはオープンな窓口でやっているみたいな。

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