KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020

HAPPENINGText: Amelia Ijiri

毎年開催されている国際写真祭 KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー)の今年のテーマは、「ビジョン」。8年目となる今年は、予定されていた日程を変更し、2020年9月19日から10月18日まで開催された。「ビジョン」は政府や個人の視野の狭い行動で、収益を重視した利己主義に基づいた意思決定が続けば、環境や社会がどうなっていくのかを考えさせる展示となった。


©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2020

世界的に有名な写真家や新進気鋭の才能に加え、今年の写真祭では、京都の伝統的な建築物である町家と長屋、今もなお創建時の姿をとどめる1904年に建てられた日本最古の現役の官公庁建物、寺院、高級な着物や帯のテキスタイルのギャラリーや、かつて酒問屋だったギャラリーなど、様々な会場の建築的特徴の調和と不調和を強調した、目を見張るような作品が展示された。


Mari Katayama “home again” at SHIMADAI GALLERY KYOTO ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2020

嶋臺(しまだい)ギャラリーで展示されたのは片山真理の作品。手縫いの義足でポーズをとったり、切断された足を露出させた自己探求的な大判ポートレートは、1608年に設立されたこの建物の力強いラインを引き立たせていた。これらの作品は、9歳で足を切除した彼女の、女性としての母性への道のりや、自分自身の中に発見した美しさと価値の感覚など、生きた経験を共有している。豊かな歴史を持つギャラリーでの変容のプロセスを見せてくれるものとなった。


Elsa Leydier “Heatwave” presented by Ruinart at HOSOO GALLERY ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2020

記録的な暑さの日にまるでルイナールのブドウ畑を歩くような錯覚を起こしたのは、エルサ・レディエの「ヒートウェーブ」。透明なオレンジ色のプレキシガラスのパーティションを使用し、鮮やかに撮影された植物のイメージとマゼンタ色のレイオグラム(印画紙の上に物体を置き太陽の光を焼き付ける)は、訪れた者の視線を惹きつける。西陣の老舗「細尾」が運営するホソオ・ギャラリーにて展示された。

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