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KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020

HAPPENINGText: Amelia Ijiri


Pierre-Elie de Pibrac “In Situ” presented by CHANEL NEXUS HALL at Main Office, Former Main Building of the Kyoto Prefectural Office ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2020

パリのオペラ座でのバレエダンサーたちの舞台裏やリハーサルを捉えたピエール=エリィ・ド・ピブラックの「現場 — パリ・オペラ座の舞台裏」。1904年に建てられた京都府庁旧本館正庁は、廻り縁、壁紙、重厚なカーテンが特徴的で、壮麗なショーと動きを表現したこれらの精緻な写真作品と調和していた。


Omar Victor Diop “Diaspora” at Former Assembly Room, Former Main Building of the Kyoto Prefectural Office ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2020

同じ建物の旧議場で展示された、セネガル出身の写真家オマー・ヴィクター・ディオプによる「ディアスポラ」は、作品を通して歴史に対する私たちの考えを見直すことに挑戦した。9枚の実物の絵画から着想を得た彼のバロック風の自画像は、会場正面の演壇の議員席の上に戦略的に配置され、アフリカ人のアイデンティティを探求している。また別の作品では、KGのアーティスト・イン・レジデンスの一環として、地元の商店街の店主たちのポートレートを撮影した。商店街には彼のシリーズが飾られ、ここで暮らす人々を撮り続けた甲斐扶佐義の回顧的な作品同様、屋外の空間を引き立てていた。


Kai Fusayoshi “Kamo River Wandering” at Tanegen ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2020

忘れられない一年となった2020年、KYOTOGRAPHIEは文化や世代を超えて共有する視点と異なる視点の両方を提供してくれた。新型コロナウイルスは私たちの世界観をすっかり変えてしまったが、集団社会の背景の中での私たちは何を、どのように見て、出来事をどのように解釈するのかを見極める上で、今回のテーマ「ビジョン」はより良い世界への洞察を提供してくれることとなった。

KYOTOGRAPHIE 2020
会期:2020年9月19日(土)〜10月18日(日)
会場:嶋臺ギャラリー、ホソオ・ギャラリー、誉田屋源兵衛 竹院の間、伊藤佑 町家、両足院(建仁寺山内)、京都府庁旧本館 正庁、京都府庁旧本館 旧議場、出町桝形商店街など
主催:一般社団法人 KYOTOGRAPHIE
https://www.kyotographie.jp

Text: Amelia Ijiri
Translation: Satsuki Miyanishi
Photos: Takeshi Asano, Courtesy of KYOTOGRAPHIE

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